シーズン
12月24日…朝PC科、パソコンルーム。
「おはようございます。」
田山さんがパソコンを見ていた。
「おはようございます。田山さん、早いですね。」
「藤さんの物語を見たくて、早めに出勤しました。本当に凄いですね。あ、そういえば河本主任…」
田山さんがスマホを手に俺に近寄った。
「忘年会の日にち、12月26日…木曜日になってましたよ?金曜日ですよね?」
「…あ!すみません!!間違えて…」
ポケットからスマホを…
「大丈夫ですよ♪楽しみ♪」
「おはようございます。田山さん。そういえば、そうだったね。曜日間違えてたね。でも、大丈夫。すぐに分かったから(笑)」
「…皆さん、予定…」
「クリスマスに被らないから大丈夫♪」
「俺も♪」
「もしかしたら星野主任は…」
「あ、星野主任はね、26日は旦那さんが忘年会なんですって。」
「シーズンだからなぁ。そういえば、今朝藤さんのきまぐれさんの方を読もうと、朝サイトにアクセスしたんだ。いつも早いのに、掲載されてないね。なんかあったのかな?」
「やっぱり?私も見ましたけど…されてないですよね。」
全員で藤さんの物語の掲載を待っていた。午前中の講義を終えて、昼休憩。…藤さんの新しい物語が掲載されていた。掲載時間は、昼前。午前11時だった。早速読む事に。
あれから2日…。杵築君から「麺が完成した。」
と…連絡をもらう。これから、こちらに来てくれる事になった。急ぎ、あのスープを作る。午前11時過ぎ…。
製麺所の臼倉さんと杵築君が来てくれた。チェックアウトの後のロビーにて、挨拶を済ませ、臼倉さんから、出来た麺を受け取った。
「この麺なら……。」
「ありがとうございます。」 「はい。」
……。
俺が臼倉さんに伝えた麺の材料は、小麦粉…デュラム粉とそば粉のブレンドしそこに塩をいれ…それを、餅をつくかの如く杵でつく事で、強いコシになる。あまり太いとコシの強さが強調されてしまう、かと言って、細すぎてもダメだった。作りたての麺…。2人を会食会場に案内した後、調理場へと麺を持っていき、麺の包みを開けた。…この細さだっ!太さは約1
「河本主任!!」
…?!…
驚いて、スマホから顔を上げた!!見ると、伊原さんが居た。
「すみません。何度か声をかけたんですが…。あ、藤さんの物語読んでました?」
「あ、はい。」
「あの実はですね…忘年会の曜日を間違えて…」
「あ、皆分かってたから、大丈夫ですよ。」
伊原さん、申し訳なそうな顔をしていた。と…
「…今日、藤さん来ます?」 「来ますよ。」
「来たら、うちも会いたいので…」
「分かりました。」
そう話して、伊原さんは休憩室から業務課に戻った。午後13時。藤さんが来てくれた。
「こんにちは。藤さん。あ、あの…」
藤さんは髪を少し切っていた。
「こんにちは…。」
…なんか緊張してる?




