ながら食い
午前中の講義を終え、休憩室に戻る。仁科室長…弁当を食べながら、スマホを見ていた。
「…鍋料理から新メニューか。よくこれで思いついたよ。」
「そうですね~。」
田山さんさんが頷いた。
「新しいの掲載されてます?」
「まだだね。」
弁当の唐揚げを口に運ぶ、田山さん。俺も弁当を食べる事に。俺の今日の弁当は、生姜焼き弁当。後は…
「キタァ!!」
仁科室長の大声!
「掲載されました?!」 「うん!」
加藤主任がポケットからスマホを取り出した。田山さんもスマホを…。3人とも真剣に読んでる…。そこに星野主任が講義を終えて、休憩室へと戻ってきた。仁科室長達を見た星野主任。
「…スマホを見ながら食べて…。大丈夫かな?」
星野主任がそう話した矢先…。
「あ、こぼした!」
仁科室長がマグカップに入ったお茶を飲もうとして、零した。テーブルの隅に置いてある、ティッシュで零したお茶を拭いた。
「…食ってから読もう…(汗)」
弁当を食べ終えて、俺も藤さんの物語を読んだ。藤さんの物語は、早朝に1話と、午後は、昼間から夕方に1話。朝は大体、4時位から6時。午後は、決まってない。だから、午後はいつ掲載されるか、分からない。サイトにアクセスし、掲載されたばかりの物語を読む。
試作品を2人分、お盆に乗せた。器は、銀の器にした。彼らに持っていく。会食会場の一室。…試作品だからトッピングは別の皿にし、先ずは麺とスープだけで試食してもらう事に。スープは赤みかかったスープ。麺は小麦粉とそば粉のブレンド麺。2人の前に置いた。
「どうぞ。」
…レンゲと箸を手に持つ、臼倉さん。スープを1口。
「…美味しい。」
杵築君が麺を啜る。「…うん」…と声が漏れ、麺を飲み込むと、俺を見た。
「コシが弱いな。後、このスープだと、細い方が美味い。」
臼倉さんも麺を啜った。…飲み込む…。
「…この麺、そば粉も入ってるんですよね?」
「はい。」
「そば粉を入れた事で、この独特の食感になるのか。…麺を啜った時の感じと、口に入れて、噛んだ時の、歯ごたえと舌触り。飲み込んだ時の…のど越しもいい…。この麺、クセになります。美味い。インパクト強く出てますね。それと、スープの味もいい。少しコシが弱いだけ。麺だな。このスープに合う麺にするには…あの製麺方がいいな。」
スープの味と麺の感想を、述べた、臼倉さんが俺を見た。
「…俺も食いたい。試食したい。」
「俺も。」 「私も」
…ふと、星野主任を見た。星野主任は、弁当を食べていた。またスマホに目を落とす。
「料理長、麺の材料と分量を教えて下さい。私の製麺所で作って見ます。」
「分かりました。よろしくお願いします。」
臼倉さんに麺の材料と分量を教えた。
「出来ましたら、お届けします。杵築君も来て下さい。」
「分かった。」
臼倉さんは俺を…
「皆さん、休憩終わりますよ!!」
星野主任の声がPC科休憩室に響いた!
驚いて、スマホをテーブルに落とした、田山さん!
「あ…え?!もうこんな時間?!」
…慌てる仁科室長!…ヤバい!




