物語中毒?
朝、業務課に出勤すると、伊原さんがスマホを見ていた。
「おはようございます。」
スマホから目を…って。伊原さん目が充血して真っ赤!
「あ…青野主任…おはよう…」
…欠伸してる伊原さん。
「…すみません。おはようございます。」
「伊原さん、目、どうしたんですか!?」
「…寝不足とスマホ見すぎました。」
寝不足とスマホ見すぎ…?あ、もしかして…
「伊原さんも藤さんの物語ですか?」
「そうなんですよ。…彼女の物語、面白くて、あと1話読んだら寝ようって…思っていても…ついつい。で…今、新しい物語を読んでた所です。この物語中毒…(汗)」
また欠伸した伊原さん。伊原さんのハマり具合、相当…って私もかも…。
「私もヤバかったです。もう読みたくて…(汗)でも、何とか、やめ所を見つけて…新しい物語は、今日帰ったら読みますよ。」
伊原さんは、スマホをデスクに置くと、
「夜、また読みます。」
「そうですね。」
伊原さんと話をしていると、松原さんが、お弁当の注文書を手に、業務課へと戻ってきた。…なんか、暗い顔してる?
「…松原さん、なんかあった?」
「?」
「なんか落ち込ん…」
伊原さんが松原さんに声をかけた。浮かない顔の松原さん。と…急に…
「…俺、モテるのかな?」
「…?」
「…じゃね?」
適当に返事を返す伊原さん…。
「そう…。」
そうって…。み…認め…
「さっきPC科で、加藤主任から、俺はモテるんでしょって。…どう思います?」
松原さんモテるの…かな?
「知らない。」
伊原さんバッサリ…。
「ところで、藤さんの物語って、何ですか?」
「きまぐれ鍋物語。」
「きまぐれ?…あ、藤さんの事ですか?」
「?」
?の伊原さん。
「藤さん、普段は、俺とは話してくれないんだけど、本当にたまーに、話してくれる時があった。その時に、見せる笑顔が可愛いくて…だから探して、見つけて話しかけて…。」
探してって…?え?!…松原さん、それ…(汗)
「…松原さん、その行動、ヤバくね?」
「なんで?」
「なんで?それ、ストーカー(汗汗)」
「!?」
松原さんびっくり!伊原さんはドン引き…(汗汗)
松原さんはその後、何も言わずこの場を離れた。




