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アタマ

午前中、藤さんとの話し合いを終えた後、PC科へと戻る。昼休憩で、加藤主任は伊原さんを昼飯…いやランチに誘った。伊原さんがPC科で、昼飯を食べていた。今日は、ランチか。珍しいな。伊原さん、何時もは弁当なのに。

「つ、つきさん。」

…ここでは、何時も伊原さんと呼ぶ加藤主任が珍しく名前で呼んだ。

「?」

伊原さんがランチの魚を頬張っていた。

「…藤さんってつきさんと似てました。」

素直?いや正直に言った、加藤主任。口に入った魚を飲み込むと

「似てたね。話し方、仕草がうちみたいだった。」

本人が認めてる…。

「藤さんって強いんですかね?」

何となく、伊原さんに聞いた。すると…

「強いんじゃなくて、多分だけど、怖いもの知らずのかも。」

「怖いもの知らず?!あの藤さんが?!」

一緒に昼休憩をしていた仁科室長が驚いて目を丸くした。

伊原さんは、白飯を口に入れた。…

「……。ん。怖いもの知らず。…本当は、藤さん、めちゃくちゃ強いんだよね。で怖いもの知らずで恐れ知らず。なんだな。言いたいことをはっきり言ってしまうタイプ。」

「…言いたい事…。」

仁科室長、あ然…(汗)…。伊原さんは、紙コップを手にして…

「藤さんは、そういうタイプで、器用な方だと思う。」

紙コップを口に運んだ。

「器用?あのパソコンの打ち方で?」

仁科室長が

「パソコン?」

あ、伊原さん、藤さんのパソコンの打ち方見た事無かったな。藤さんのパソコンの打ち方は独特で、1番左側と右側のキーを小指で押すことが出来ない。

「…手先が器用…とかじゃなくてね…うーん…なんて言ったら…」

…伊原さんは、しばらく考えて…

「ヒヤリハット報告書の書き方を、練習して、それを真似たって話してたよね?」

考えが纏まったのか、伊原さんが俺たちに言った。

「あ、言ってましたね。」

加藤主任が頷きながら、伊原さんに言った。

「あれを、真似て書いて、物語を書けるようになった。そんな事、器用な方じゃなきゃ出来ない。」


伊原さんは、ランチに一緒に入っていた、オレンジに手をかけた。

「…藤さんのアタマん中って…どうなってんだろうな?」

仁科室長が伊原さんを見ながら、尋ねた。

オレンジを口に入れていた、伊原さん…

「…このオレンジ、甘い。…藤さんの頭の中か。」

…俺も思った。


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