きり?
藤さんの話を聞いて…驚くしかなかった。
「藤さん。」
河本が藤さんに聞いた。
「以前、松原さんと話しをした時に、言い方がその…他人事の様に話してましたが…その…」
…河本…なんで緊張してんだ?
「松原さんねぇ。…あの人、変わってない。」
え?つ…伊原さん…じゃない?藤さん??
「…あの…松原さんと知り合いなんですか?」
海さんが藤さんに聞いた。
「前の職場の同僚。…松原さんは、腰を壊して辞めた。」
「…腰?!…」
伊原さん…びっくりしてる…(汗)
「誰にでも、フレンドリーに接するタイプ…。けど、うちあの手のタイプ大苦手…。関わると面倒だから、遠ざけていたんですが、ことある事に話しかけてくる…。」
…なんかどっかで…
「あ~…なんか分かりますね…。」
伊原さんが藤さんの話に同意…(汗)
「で…あまりにしつこいから…本人に、近寄るなって言ったら、近寄らなくなりました…。」
…(汗)…藤さんって…本当は相当強いんじゃ…(汗)
「あの…松原さんは…そう言われて、どう反応しました?」
「…凹んでましたよ。でも…これでいい。」
「良くないですよ!あんまりじゃないですか?!」
あ、思わず…(汗)
「酷いよね。…だけどね、加藤さん。うちはね、ある面倒に、巻き込まれるのが嫌だから、言ったんだよ。」
「ある面倒ってな…」
明里が藤さんに…
「もしかして…嫉妬ですか。」
「正解。」
なんでわかんの?つきさん…(汗)
「あ…分かります。…私も、それありました。」
「…。面倒な事に巻き込まれたくない…。それだけ。後は、こう思われたくない。」
「…不倫、ですか?」 「そう…。」
「…つきさん、海さん、なんで分かるの!?」
明里がビビって聞いた。
「明里さんの職場って…男性職員いるよね?」
藤さんが明里を見た。
「いるけど?」
「例えばだけど、その男性職員が女性職員の憧れの的。顔はそこそこ良くて、高学歴、優しくて仕事も出来て、明里さんはどう思う?」
「…彼氏にしたいかなぁ…」
「そう思って、一生懸命アプローチしていた。でも彼は、その人より別の女性に声をかけて、仲良くなりたがる。アプローチしていた女性…どうなる?」
「「あ…(汗)」」
思わず…声を出した明里と俺…。
「…嫉妬…出てくるよね。私が一生懸命アプローチしてるのに、なんてあの子なの?って?…で…その嫉妬は、男性職員に行かず、その人にいく。なんでだと思う?」
「好きになった人には可愛くひ弱な所を見せ…その方には、嫌がらせの嵐だろうねぇ…」
つきさん…(汗)…。
「分かるなぁ…それ。」
海さんまで…(汗)
「可愛いひ弱。しかも桐みたいだからね。…まぁ、色恋沙汰に巻き込まれんのは、勘弁。だから、遠ざけていた。普通に、利用者さんの状態を聞いてるだけでも嫉妬だったからな。あの松原さんってかなりモテたんだ。なんてか知らないけど。」
「藤さん…も…」
「嫌い」
藤さん即答かよ!…だけど…きりってなんだ?




