4つのきっかけ
会議室1…ぎゅうぎゅう…(汗)でも…他の会議室は予約が入っているし…。
藤さんは明里さんの隣に座った。
「…あの物語を書いたのは、私で間違いないです。明里さんとは、職安で出会いました。」
藤さんは、明里さんを見た。
「こっちに来てすぐに、職安の就職相談の個室前の椅子に、藤ちゃんが居て、そこで話したら意気投合したんだよね。」
「うん。」
懐かしそうに話す、明里さん。
「あの…この物語なんですが、すごいその…」
加藤主任緊張してる…(汗)…。
「…藤さん…」
伊原さんが藤さんに話かけた。
「…この物語、読んで驚いたんですが凄いですね。情景が手に取るように分かります。これが妄想や空想でかけるなんて…信じられなくて。」
藤さんは伊原さんを見て…
「良かった。」
…藤さん…笑った…。
「?良かったって…」
河本が藤さんに聞いた…。
「…この物語は、うちの4つの事がきっかけで出来たんです。」
「4つのきっかけ…?」
「1つは前の職場。2つ目は退職した事。3つ目は、パソコン。で…4つ目は、ある報告書の書き方。」
職場と退職…パソコンとある報告書?…意味が分からずにいた。
「前の職を辞めたのは、今年の2月でした。退職した理由は、私の身内の病気の再発。後は私の体調不良です。」
藤さんは、静かに話し始めた。
「身内が、昨年の12月に病気が再発したんです。…それに加えて、私の体調も悪く仕事を休みがちになっていて…また職場の皆に迷惑をかけてしまうと…おんぶに抱っこじゃと…だから前の仕事…介護職を今年の2月末で辞めた。」
藤さんは視線を…テーブルの1部をジッと見ていた。明里さんが藤さんの背中にそっと手を置いた。
「藤ちゃん、大丈夫?」
「うん。」
「うちとちょっとだけ同じ…だ(汗)」
「再発って…(汗)」
伊原さんと加藤主任が同時に呟いた。
「…同じ?」
明里さんが伊原さんに尋ねた。
「うちは、身内の介護と看病で…前の職を2月に辞めたんですよ。」
「…。」
藤さん、おどろ…かない?!(汗)…。
「…似たような感じの方…いたんだなぁ。」
藤さんは伊原さんを見た。
と…
「あの…病気が再発って…」
加藤主任が藤さんに尋ねた。
「…加藤先生…。」
藤さんが加藤主任に言った。
「今話した事は、私の身内の話し。全てがこの通りにならない。」
藤さんの加藤主任を見てる目は、強くそして、意思の強い目をしていた。




