つまみ
デザートを食べる。うみが作ったスイートポテト…。少しだけレンジで温めてから食べた。バターの香りとさつまいもの甘さが良くて、美味かった。本当にうみは料理上手。腹いっぱいになった。テレビを付けたうみ。…肉じゃが?…どっかの食堂で、肉じゃがをつまみにビールを飲んでいる、芸人と俳優…。確か、俺の酒のあて…という人気番組だった。
「…雷斗さん…」
うみが俺に聞いた…
「肉じゃが好き?」
「肉じゃが?好きだけど…」
…そういえば…家で肉じゃがってあまり出たこと無いな…。なんで…あ、そうか。うみの嫌いな野菜が入ってるから…。
今日はつきさんが俺のアパートに泊まりに来てくれた。なんか荷物多い。袋から何かをって小さな土鍋…?しかも2つ。その土鍋を使い、作ってくれた。
「寒いから鍋焼きうどん。」
「ま…マジで?!」 「うん。」
鍋焼きうどんなんて、かなり久々だった。何時ぶりだ?…いい匂いだ♪
「鍋敷きある?」
「あ、1枚しかないです。」
「新しいタオル…」 「ならありますよ♪」
新しいタオルを取りに寝室のクローゼットへ…。その間に、つきさんは、炬燵のテーブルにお椀とレンゲ、箸を持ってきてくれた。
「もうすぐ出来る♪」 「楽しみです♪」
鍋焼きうどんが出来あがり、炬燵のテーブルに運ぶつきさん。鍋つかみをしたつきさんの手…。なんか、かわいかった。
「この鍋つかみ、いいね。」
鍋つかみをした手で、土鍋の蓋を開けた…。美味そうな匂いと、湯気がたまらない。俺もつきさんから、鍋つかみを借りて開けた。
「美味そう♪いただきます♪」
「いただきます♪」
レンゲでつゆを掬って1口…。ヤバい!美味すぎる♪舞茸としめじ、椎茸は、乾燥?したやつかな?油揚げとごぼう。鶏肉つみれ。かまぼこと卵…。少し具だくさん…だからかな?旨みがすごい!…
「美味しいです♪♪」
「…良かった♪」
つきさんは、嬉しそうに俺を見た。
「ちょっと具が多かったけど、良かった♪美味しそうに食べてくれて。」
「?食べてくれて?」
「実はね…」
つきさんが今日の業務課の休憩中の話をした。
「松原さん、奥さんに、ご飯作ってもらっといて、文句言って、自分が作ったら、アタシ作らないから、あんたが作って…って言われたらしいんだな。…しかも人の事…」
そこまで話して黙ってしまったつきさん。
「…どうしました?つきさん?」
「朔夜さん…」
「美味しいですよ♪」
「あ、いやそうじゃなくてね…。」
「?」
「鍋焼きうどんをつまみに…」
つまみ?つきさん、久々に飲みたいのかな?




