朝飯で?
12月18日金曜日。…寝返りを打…てない??うみが俺の背中に、くっ付くように寝ていた。…のそのそと動いて、うみの方を向く。「ん…」
俺が動いたのが分かったのか、少しだけ漏れた声。部屋は真っ暗だからうみの寝顔は見えないけど…寝息は聞こえる。…そっと背中を触る。…やっぱりうみの身体は温かい…。そう思いながら、もう少し寝た。
朝6時。スマホのアラームがなった。起きると、うみは既に起きていた。弁当を作っていた。俺が買ってきた食材を使ってくれていた。
「おはようございます。雷斗さん。」
…元気になって良かった。…なんか甘い匂い?…♪
オーブンレンジ?…。
「出来た♪」
何かを作っていた。朝飯だよな?でもこの甘い匂い…。一体?台所へ向かう。
「おはよう、うみ。…何か作ったの?」
「はい。雷斗さんが買ってきてくれた、さつまいもを使って、お菓子を作りました♪」
…オーブンレンジから取り出したお菓子…。
「スイートポテトです♪」
「スイートポテト?!マジで?!」
驚いて声を上げた。うみは…
「今日、職場にお菓子を持っていきたくて、作りました。」
「スイートポテト職場に持ってくの?」
「スイートポテトは、私と雷斗さんで食べますよ。私が欲しかったのは、卵白です。」
…ら…卵白?あれ?もう1つお菓子がある。皿の上に置いてある、クッキー…これって確か…らんぐ…なんだっけ?…うみに聞いた。
「うみ、このクッキーってなんだっけ?」
「ラング・ド・シャクッキーです♪」
「あ、そうだ。ラングドシャクッキー。」
「フランス語で、猫の舌って言うみたいですよ。…冷めたかな?」
うみがクッキーに手のひらをかざした。
「もう少しかな?」
クッキー…焼きたての方がいいんじゃ…?…て、朝飯がスイートポテト??
「朝ごはん、何にしようかな?」
…あ、これから朝…ご飯作るのか。




