作ってあげたい
昼休憩。弁当を食べる事に。
「…河本主任、今日はランチじゃないんですね。」
星野主任が俺の弁当を見た。
「海さん体調悪い…」
「私が自分で作ったんです。」
「え?!」 「マジで?!」
仁科室長と加藤主任が驚いて声を上げた。
「鶏そぼろと卵そぼろですか。…海さんが教えてくれたんですね。」
「はい。」
やっぱり星野主任は見抜いたな。
「…なるほど。海さんさすがだな。」
「…何が?」
「河本主任の包丁使いが危ないから、包丁を使わないメニューを教えてくれたんですね。」
「包丁?」
仁科室長に俺の包丁使いを話した加藤主任。
「あ…危ないね…。」
仁科室長も驚いて、俺を見た。
「今度は大丈夫です。」
弁当を食べ始めた。
そこに講義を終えた田山さんが休憩室に入ってきた。自分のデスクに座り、パソコンを見ていた。
「藤さん。…あ、だからかぁ。どうりで」
…どうりで…?
1人納得し…俺らの元にきた。田山さんは今日はランチ。みんな揃った…。弁当を食べ始めた田山さん。弁当を食べ終えると、デザートを取りに冷蔵庫に行く。
「みなさん、デザート食べませんか?」
「デザート?」
仁科室長が俺を見た。
「豆乳プリンを作ったんです。」
「海さんが?」
「いや、私が作りました。」
「マジで?!」 「え?!」
「…星野主任、ちょっと手伝ってもらっても…」
「俺手伝いますよ。」
加藤主任が来てくれた。保冷バッグを流し台に置いた。
「ありがとう。」
保冷バッグを開けて、中からプリンを取り出した。お盆…あった。お盆にプリンの入った容器を置く。スプーンは流し台の引き出しに…あった。これ、使い捨てのスプーンだった。黒蜜には普通のスプーンを付ける。
「持って行って下さい。」 「はい。」
加藤主任が仁科室長達が居る、テーブルの中央にプリンを乗せたお盆を置いた。俺もテーブルに戻る。
「黒蜜は好みでかけて下さい。」
プリンを手に取る俺。みんながプリンを取ると、食べてくれた。
「滑らかで美味しい…。」 「甘さ控えめでいい♪」
仁科室長もプリンを1口…。
「美味い。河本主任、料理出来るんだな。」
仁科室長…なんかおちこ…
「作り方教えてくれ。妻に作ってあげたいから。」
作って…仁科室長、本当に奥さんの事…愛妻家だよなぁ…。仁科室長に作り方を教えた。
「簡単なんだな。」 「私も作ろうかな♪」
「私も」
加藤主任が黒蜜をかけて豆乳プリンを食べ、
「黒蜜合う♪美味い♪」
…美味かったのか…仁科室長
「オカワリ無い?」
ないです。




