花じゃない
風呂から部屋に戻る。チャロは明里から離れて、つきさんに付き纏い…。炬燵に入ったつきさん。その後も…チャロはつきさんにべったり…。
「なんかずっと、つきさんに甘えてますね。」
「…若い子好きなんじゃないのか?」
「…チャロ、石鹸の香りが好きなんですよ。」
…なら…なんで明里にくっつかないのかな?夕方18時少し前に中居さんが来てくれた。
「夕食の準備しますね。」
「お願いします。あ、明里さんチャロくん抱っこしてて。」
「はい。」
明里がチャロを抱き抱えた。
「チャロ、ご飯の準備だって。一緒に待ってようね。」
…ジッと中居さんが準備しているのを見ていたチャロ。中居さんが炬燵の真ん中に、ポータブルのガスコンロをセット。俺たちが座る場所に深めの取り皿と蓮華。テーブルの準備が済むと…。中居さんが1度部屋から離れて、鍋を持ってきて、コンロに置くと火を付けた。
「準備出来ました。どうぞお席へ。」
席へ付く。明里はチャロを下に…。つきさんの所へ。つきさんがチャロに
「チャロくん、チャロくんにもご飯あるからね♪待っててな。」
つきさんを見るチャロの目がキラキラ…(汗)…言葉わかんの?
「失礼します。お飲みをお持ちしました。」
別の中居さんがさっき注文した飲み物を持ってきてくれた。つきさんはジンジャエール、明里は梅酒、俺は生ビールだった。先に乾杯した。
「お疲れ様。乾杯♪」 「「乾杯♪♪」」
生ビール!!最高!…乾杯が終わった後…中居さんが俺たちに聞いた。
「猫ちゃんのお名前は?」 「チャロです。」
「チャロくんね。分かりました。」
鍋を前に中居さん。
「今日の御夕食は、ぼたん鍋になります。お肉を入れますね。」
鍋を開けると湯気が立って、味噌のいい匂いがした。そこに肉を入れる…。
「あのぼたん鍋ってなんですか?」
中居さんに聞いた俺。
「ぼたんはイノシシのお肉ですよ。」
「…い…イノシシ?!」「え?!」
俺と明里がビビって声を上げた。つきさんが俺たちに言った。
「…あ、ぼたん鍋初めてか。美味しいよ♪」
ボタンって…花じゃなくて肉の事だったのか。あ、なら…と…別の中居さんチャロのご飯を準備していた。
「チャロくんには、もみじを焼いたお肉ね。」
別の中居さんが
「チャロくんのお食事準備出来ました。」
「あのもみじって…(汗)」
「シカ肉よ。」 「シカ?!」
つきさんの器を借りると、ぼたん鍋を盛り付けた。つきさんに手渡した。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
中居さんが、俺たちの器に、盛り付けるまで待っていた。盛り付けるのを終わって、
「チャロくん、ご飯だって。」
つきさんが指を指すようにチャロに見せた。チャロはその場へと向かう。
チャロのご飯は、俺らの炬燵と少し離れた所に、ランチマットを敷いて、準備してくれていた。
「お行儀いいわね。チャロくん。」
…チャロがランチマットの前にお座り。…チャロってなんかマジで人見たいだな…(汗)
「いただきます♪」
つきさんが、ぼたん鍋のスープを1口。
「美味しい♪」
俺も早速、ぼたん鍋を食べた。…めちゃくちゃ美味かった!肉が柔らかくて甘い!それに、味噌の風味がバツグンだった!明里も美味そうに食ってた。つきさんがチャロ見た。
「チャロくん…気に入ったみたいだね。良かった。」
俺らもチャロを見る。
「凄い…夢中で食べてる。」「うん。」
贅沢な時間だった。




