飛ばして
陽高市から添川町…小鷹町へ。
「やっぱり凄いな…。」 「本当に…。」
この添川町と小鷹町は豪雪地帯。陽高市とは桁違いに雪が多く…既に道路の両脇には、除雪車が飛ばして出来た雪の壁が…。
「大分降ったんだな。層になってる。」
「そうですね…。」
泥水が染み込んだ真っ黒な雪や白い雪…。それが幾重にも重なって出来た雪の層…。その上に新しいく降った雪が積もっていた。
「…この雪の壁。この位の高さだからまだいいよ。これがもっと高いとヤバい。」
「そうですね…。」
この辺りは、山だから民家が無いけど…これが民家近くだと、車とか人が出てきたりすると危ない…。
トンネルを沢山、抜けて行く。途中、郵便局があった。民家もある。その近くのトンネルを抜けると…道路右側のドライブイン…?ラーメン屋さんが目に付いた。…昔からあるラーメン屋さん。準備中…。この辺りの民家…。どの家にも階段があった。これもこの土地ならでは…。雪が多い地域に見られる作り。高床式の住居。その家の下が車庫になっていた。車の時計は、10時になる所だった。その小さな集落を抜けて、小鷹町内へ…。コンビニに寄る事に。ホットのカフェオレとレモンティーを買って車に戻る。コンビニの駐車場。大型トラックが止まっていた。休憩中なのかな?
つきさんが1度アパートに帰った。
「着替えとってくる♪朔夜さんも泊まりの準備してな♪♪」
めちゃくちゃ嬉しそうにして言った。何処に行くんだろう。近場って話してだけど。言われた通り準備した。…♪…。スマホが鳴った。見てみる。明里からのLINEだった。
「今日暇?」
あの日から、明里とは連絡取ってなかった。
「暇じゃない。出かける。」 「何処に?」
「知らない。」
そのままLINEを放置した。……つきさんが俺のアパートに戻ってきた。
「準備したかな?」 「はい。」
「……なんかあった?」
心配そうに俺を見たつきさん。
「?何もないです。」 「…そう?」
つきさんには、明里からのLINEの事を話したくなかったから黙っていた。
「お昼どうする?」 「作りますよ。」
「何作るん?」 「内緒♪」
「…分かった。楽しみにしてる♪」 「はい♪」
まだ昼飯まで時間があるし、ゆっくりしようとつきさんと話していた矢先…。~♪…。玄関のチャイムがなった。誰だ?玄関に向かう。玄関のドアがイキナリ開いて明里が飛び込んできた!
「兄さん!遊びに来たよ!!」
押しかけて来やがった!!
「出かけるって聞いたから車飛ばして来た!どこ行くの?私も行きたい!」
明里の勢いにタジタジの俺…(汗)




