器用
自分の姿を見て思った。…雷斗さん学ランだった。おかしい…変だよ…。雷斗さんが通ってた高校の制服の上は…確かブレザーだったはず…。それと…この地域では、高校生の大体がブレザー。中学生が学ランと決まっていた。もし仮に雷斗さんが中学生から体型、変わらないとか…。そんなある訳ない…。なので…ちょっとカマをかけてみた。すると…
「忘年会の余興…。」と話した雷斗さん。
…やっぱり…雷斗さんが着ていた学ラン…。ちょっと変わっていたから見させてもらった…。まずはボタン。中学生の学ランは、ボタンに”中”と刻まれている。それが無い。つるりとした金のボタン。後は、襟。詰襟の部分に校章を入れる、穴が左右どちらにも無い。カラーはちゃんとしてる。ポケットは付いていた。後は長さ。雷斗さんには少し長い丈。最後に中を見た。中は濃い紫?後は…裏ポケットが無い…。
…この学ラン…手作り?と…雷斗さんに尋ねた。
「…そうだよ。前に居た、同僚の方。凄く器用な人で、服なんか作るのも好きだって話してて、作って貰ったんだ。」
「…凄い器用…。この学ラン作るのに、採寸して型紙とか取ったんですか?」
「…取ってない。」
「え…?…ならどうやって作ったんです?」
「その方のお子さんの学ランを借りたんだよ。」
「お子さんの学ラン…?」
「その方のお子さん、中学生で…身長が174cmって話してた」
「174cm?!中学生で?!」
驚いて声を上げた!中学生で174cmって…。雷斗さんより大きい…(汗)
「で、その学ランの型取って、長さはそのままにして、調節して作ってくれたんだ。」
「…凄い…。」
「でもその方が話してたけど、その方のお子さんは、まだ小さい方なんだって。運動してる子なんて180超えてる子もいるとか…。話聞いて、確かにって思ったよ。運動部の同級生、デカかったもんな。」
そういえば…そうだ。スポーツしている人達、見ていると、身長大きい方多かった…。
「その方、よく…食費…が凄いって話してたな……。」
「食費?」
「カレーとか作ると、大鍋に大量に作らないと足りないって。」
…大鍋…(汗)
「他にも、靴のサイズとか服のサイズとか…話してたな。」
「サイズ?」
「うん。その方、お子さんが2人いて、今話した学ランのお子さんは2番目の子。上のお子さんが、居て、その子が凄かったんだ。」
…凄いって…




