じわじわ?
夕飯にハヤシライスを作った。トマトのサラダを作ろうとして、指を切った…。今日の職場の休憩中に加藤主任に言われていた…。
「指切り落とさないで下さいね…。」
…指までは切り落とさなかったが…。洗い物を済ませ、炬燵に戻ってきたうみが俺に尋ねた。
「あの…雷斗さん…野菜を切る時や刻む時、左手を…猫の手にして横向きに出来ますか?」
「横向き?」 「はい…。」
猫の手を横向きって?…と…。うみが、炬燵の上に置いてある、テレビのリモコンを手に取り、自分の前に置いた。後は…ペン?
「…このリモコンを…野菜に見立てて…ペンは、包丁です…。ちょっと見てて下さい。左手を添えて…。」
うみがリモコンに左手を猫の手にして横向きに添えた…。俺と違う…。
「…雷斗さん。さっき雷斗さんは、猫の手をこう…縦向きにしていました…。これだと危ないです。…だけど…私が…ちゃんと教えなかったから…ごめんなさい…。」
教えながら謝るうみ…。…そうなのか…。宙で左手を…なんか…?慣れないからか?変な感じがした。
「雷斗さん…。」
うみが俺に声をかけた。
「ありがとうございます。凄く美味しかったです♪また…作って下さいね♪」 「…うん♪」
指怪我したけど、うみが喜んでくれたから良かった。うみが先に風呂に行ったその後、こっそりペンとリモコンを使って練習した。うみが風呂から上がった。俺も風呂に入る……。上がって、バスタオルで髪と身体を拭いた…。絆創膏をした親指を見た…。なんか…じわじわと…。これ…(汗)
風呂から居間に戻り、新しい絆創膏に貼り替える…。絆創膏交換…3回目…。これヤバいのかな(汗)
不安に思っていた時…
「雷斗さん?」
先に風呂に入ったうみが俺に声をかけた。
「傷…痛む?」
「大丈夫。…何飲んでるの?」
うみはグラスを持っていた。
「ゆずサイダーです。雷斗さんもサイダー飲みますか?」
「うん…。」
…うみがグラスにゆずサイダーを注ぎ入れて、俺に出してくれた。飲むとゆずの香りと味がして美味かった。




