似ていた?
つきさんが…あの人と呟いた…。一体誰なんだ?…気になって聞いてみた。すると…
「前の職場の上司。」 「男性?」 「女性。」
「…なんだ…良かった…。」
「…心配したん?」 「はい。」
「…大丈夫だよ。鍋出来た。」 「うん。」
つきさんが作った鍋は、白菜とネギと豚バラ肉の鍋。鍋の真ん中に、豚バラを巻いたネギ。その周りを囲むように、豚バラと白菜をミルフィーユ状に重ねて、立たせるように並べた白菜…。まるで花の様に見えた…。
「冬になると、よく作るんだ。」 つきさんは、他にもおかずを出してくれた。
「…なんか花に見えます。」 「…そうかな?」
「はい。」 「こっちは、初めて作った。」
…大根の漬物。柚子の香りが良かった。早速、鍋を食べる事に。
「いただきます♪」
「覚悟して食べないと…(汗)…いただきます。」
つ…つきさん…い…今…なんて…(汗)
…その意味が分かったのは、豚バラに巻かれたネギをつきさんが食べた時だった…。
「あれだけ、ふうふうしたのに…。めちゃくちゃ熱い…。」
この豚バラに巻かれたネギ…。相当太いネギで、切れ目を入れて、豚バラで巻いていた。で、熱を通したネギ…中が柔くなっている。そこがめちゃくちゃ熱い…。
「舌ヤケドした…。」 「大丈夫ですか?」
「冷めてから食べる。」 「はい。」
鍋を食べ終えると、デザートにプリンを出してくれた。
「兄さんが、買ってきてくれたんだ。」
「…優しいんですね。」 「…うん。」
つきさんのお兄さん、ひなたさん。ひなたさんとつきさんは、二卵生の兄妹だけど、つきさんと似ていた。プリンを食べながら、つきさん。
「…兄さん、よめないから、困る…。」
それはつきさんも同じ…。プリンを食べ終え、スマホを見ていた、つきさん…。俺が話した事を急に思い出したのか…
「…坐薬=痔…なのか…?」
…ひなたさんとつきさん…似てない…のか?




