気忙しいから
つきさんが俺に話した…。
「この時期と正月。お盆。苦手なんだ。ザワザワ落ち着かない。」
ふぅ…と息をついたつきさん。
「…気忙しいと言うのかな…。」
つきさんは、布団から這い出た。
「た…立てるかな…(汗)」 「支えます…。」
「…いた…(汗)」 「トイレですか?」 「うん」
ぎっくり腰、大変だな。何とか、トイレへと向かう、つきさんと俺…。用を済ませたつきさんが、身体を曲げるようにして、出てきた…。
「…なんか…うち、ばあちゃんみたいだな(笑)」
何となく…
「つきばあちゃん…」
そうつきさんを呼んでみた…。
「なんだい…朔夜じいさん…(笑)」
その声真似…アニメなんかのばあちゃんに似てて笑った。するとつきさん、俺の顔見て…
「…若いね(笑)」
くすくす笑うつきさん。支えている、つきさんの身体は温かい。布団に戻ると中には、俺が前に見舞いであげた、あの白い猫のぬいぐるみ…。それを抱いた。
「…ぬいぐるみ助かる。」
そう言って、胸元に抱き寄せ、身体を丸めるような感じで横になって寝ていた…。
「つきさん…いつも抱いて寝てるんですか?」
「…ダメかな?」「いえ…」
…気に入ってくれてる…。つきさんの好きな物は、本とぬいぐるみ。後は植物…なのかな?
付き合って、半年以上経つけど、つきさんの好みや苦手な物が何となく分かって来た様な気がした…。つきさんが苦手な物は、雷と暗い所。それが苦手。寝る時は、小さなオレンジ色の明かりを点けて寝ている。雷がなると、震えていた。他に苦手な物は、恐い話しかな?…と…
「朔夜さん、手…。」
…また俺の手を握りしめた…。
「…つきさん、俺の手…好き?」 「…うん。」
…つきさんの手…温かい。けど、荒れていた…。




