おざしき?
6月20日、日曜日の夕方。先に着いていた、まきちゃんと英くん。予約していたお店、”柳の月”の駐車場にいた。私は、近くのコインパーキングに車を停めて、歩いて、柳の月へと向かう。柳の月の駐車場は、数台が停められる小さな駐車場。けいちゃん達も車で来るし…河本主任も…。そう予想しているとお店が見えてきた。案の定、けいちゃん、豊川君、河本主任は車で来ていた。
「「うみちゃん、歩いてきたの?」」 けいちゃんとまきちゃんが同時に声をかけた。私は、近くのコインパーキングに停めて、歩いて来たことを伝えると、”言ってくれれば、乗せてきてたのに”!とまきちゃんとけいちゃんが、同時に話す。”大丈夫。少し動かないと”。と話すと、”…俺も…”と。と聞こた微かな声。”?”…気にもとめず、お店に入る。フロントの呼び鈴を押すと、”彼女”が出てきてくれた。「”お久しぶりです。藤…いえ、”青野先生”。」 私は、「”お久しぶりです。…元気そうですね。…相川さん。予約した…”青野”です。」 そう挨拶をした。
「え!?…相川さん?!」
PC科を修了して、卒業した、相川莉央さん。河本主任と豊川君が驚いて声を出した。
「お久しぶりです。豊川先生。河本先生。」
「「うみちゃんの知り合い?」」 まきちゃんと英くんは同時に私に聞いてきた。「うん。PC科で、受講された方。」
「お部屋にご案内致します。こちらです。」
「ありがとうございます。お願いします。」
そう伝えると、部屋と案内してもらった。
畳敷きの、お部屋にテーブル席。床の間には、観音様の掛け軸。6月の花、菖蒲の活花。窓の外は、ちょっとした枯山水庭園が見える。
「わぁ…素敵…。」
「…お…お座敷?」
5人ともびっくり。相川さんと私は、ちょっと話して、「では、よろしくお願いします。」
私は前回とは、逆の入り口側。真ん中にまきちゃん、上座にけいちゃん。河本主任を上座に…と、”豊川君、上座に”。…河本主任がまた…まぁいいか。と…この前と同様に、席に着いた。
「うみちゃん凄いね。よく知ってたね!こんな素敵なお店。」
まきちゃんが周りを見渡して私に尋ねた。
「…実は…」 私は皆に理由を話した。
「私、外食は、たまにしか、行かなくて、行ったとしても、カフェとかパスタ屋さんとか…なんだけど…。まきちゃん達に、凄くお世話になったし、豊川君の新たな、就職…祝いも兼ねてね…。後は…いや…たまたま、相川さんが、このお店にバイトに来ているのを、以前、聞いていたの。前に携帯の番号を交換しててね。」
「でも…高いんでしょ?」 とけいちゃん。
「大丈夫。ここは、メニューを見て、食べたい物を自由に注文するスタイル。と、コース料理と色々あるの。飲み放題もあるよ。コースだと、板長お任せだけどね。今回は、料金1人、3千円…に…」私が値段を言った瞬間…
全員で、「”安くない”!?!」
「…3千円のコースに後は、各自、自由に頼むスタイルだから。」
私は、そう説明すると、「……気に入って…くれたかな?」…とドキドキしながら、聞いてみた。
「最高だよ!!」
イチバンに、声を出したのは、河本主任だった。




