降らない
急カーブが多い山道を登り、約40分位か?蔵王温泉に着いた。待ち合わせの場所に向かう。…?…ログハウス?すると、つきさん。
「コテージだね。」 「…コテージ?」
「ご両親は療養に来ているんだね…。」
「療養…。」 明里が、呟いた。看板には、コテージ型保養所 木花となっていた…。両親の車の隣に、つきさんは、車を停めた。駐車場には、うっすらと雪が積もっている…。車を降りて、つきさんは、周りの雪を見て…。
「…毎年、この時期は、かなりの雪が降って積もるんだけど、やっぱり温暖化なのかな?雪が少ない…」
…コテージに向かう……。き……緊張する。コテージのドアには、部屋番号がふってあった。1号室…。小さな階段を登り、右側にある、チャイムを押した……。緊張が最高潮に達した時……ドアが開いた。中から、母さんが、姿を見せた。
「…ひ…久し…ぶり…」 きき緊張して声が……
「母さん、久しぶり。」 明里は…普通…に…話している。し…しっかり…しな…
「…こんにちは…」
「!?アナタが…」 「つきさんだよ。」
!明里?! 明里がつきさんの名前を母さんに教えた!すると…
「初めまして。伊原つきと申します。この度は、お時間を頂きまして、ありがとうございます。」頭を下げた、つきさん…。
「…初めまして、朔夜の母です。さっ、どうぞ。」
「つきさん、行こう!」 「…はい…?朔夜さん…?」
つきさんの声に我に返る俺!!玄関に入り靴を…
「朔夜…」
!…と…父さん…!……父さんが、奥の部屋から玄関に出てきてくれた。?…父さん、鼻から、なにを付けて?…ヒモ?…それが、腰付近に…なんか…ぶら下がってる…?
「貴方、大丈夫?」 「あぁ…朔夜の彼女か…。初めまして。」
「初めまして。伊原つきと申します…。」
つきさんが父さんに頭を下げた…。すると…
「…君は、全く物怖じしないね…。俺のこの姿を見ると、大体の人が驚く。」
つきさんは、父さんの話を静かに聞いていた。
「母さん、雪は、降ったかな?」 「サラッと降ったわよ。」 母さんが答えた。
「今年は…雪がまだ降らないらしいね。真っ白なゲレンデを見てみたかった。…リビングに行こう。ここは、冷えるから。」
父さんが振り返り、コテージのリビングへと向かう。父さんの背中…かなり痩せていた。その背中に目立つ、たすき掛けの紐…。紐にぶら下がっている、?小さなバック?そこに繋がれた、透明な管…。その管が父さんの顔の頬に…って…貼り付けてあった…。バックは、見えないように、格子柄の巾着袋で包まれていた……。




