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血の気が…

河本夫妻の家を出て、けいさんをアパートまで送った。俺の車を降りた、けいさん

「またね♪」 けいさんが、手を振った。

「またね。けいさん。」つきさんも、助手席から、手を振る。俺は、軽く頭を下げた。次は、つきさんをアパートに送る。車の中…

「朔夜さん、なんで、うちを連れて行きたいの?」

さっき俺が、一緒に帰省に着いてきて、と話した理由を聞いてきたつきさん。

「…両親にちゃんと紹介したいからです。」

「それは、そうだけど、急に行ったら、驚かない?」 「行く前に電話します。」

「ならいいけど…。」 「…つきさん、不安ですか?」

「…不安もだし緊張する…(汗)」 「大丈夫ですよ(笑)」

つきさんをアパートに送り、俺もアパートに帰った。駐車場に車を停め、スマホを手にした。

…俺から母さんに電話するなんて、何年ぶりだ?

…なんか…緊張すんな…。やっぱり、また今度にするか?今、仕事だと思うし…。まだ時間あるし…いや、でも…。迷っていた…。しばらく、スマホの画面を見ながら、迷う…。意を決して電話をかけた…。…「はい?」 「あ…久しぶり…元気?」

「…どうしたの急に?」 「あ、いや…あの…」

ヤバい…緊張で声が…と…母さん

「朔夜、貴方、彼女出来たの?」

全身の血の気がサァーと音を立てて引いた…

「な……なんで…」

や…やっと…声を絞り出した

「明里に聞いたわよ。良かったわね。あ、暮れに帰省しなくていいわよ。母さん達、暮れに旅行に行って来るから。」

「は?旅行?」 「うん。お盆にも旅行に行ってきたし。今度は暮れに行くの。沖縄よ…。」

「マジで…。アルはどうするの?」 「アルはペットホテル。朔夜、よく聞いて。…」

「…え…?」

「お父さん、最後に沖縄行きたいらしいの…。」

「…分かった…。でも、いいの?」 「何が?」

「…いや…何でもない…。またなんかあったら…連絡して?」 「分かった。朔夜、身体に気をつけてね。」 「…あぁ。じゃまた。」 「またね。」

スマホを切り…そのまま…しばらく…その場を動く事が出来なかった…。

そして…その日の夜中、初雪が降った…。朝、寒さで目が覚めた…。寝室の窓から、そっと、外を見た…。車にうっすらと積もった雪…。……あ!タイヤ交換!!







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