また何かヤッ…た?!
河本主任が業務サポート課に、挨拶をしに来て、あれから1ヶ月。
私は相変わらずに、パソコンとにらめっこ…。書類を整理し、ファイリング。在庫を確認し…注文…。全てが終わる頃には、目と肩が壊れそうになる。それでも…楽しい!あの人達が…蒼空と平澤さんが居ないだけで、こんなに、違う。身体は疲れるけど、心持ちが全然違う。私は、固まった、身体をほぐすため、更衣室に入る前に、肩をグリグリ回していた。「…あー…。」肩を回すと少し痛い…。
「海ちゃん。」 突然、後ろから、声をかけれたので、振り返った私。後ろに立っていたのは、私がよくメールする、”1階総合ステーション”の安部川 優さん。
「あー!安部川さんお久しぶりです!」
私と安部川さんは、前からの顔見知りで、たまたま、ここの創立記念祭の会食パーティーで、席が一緒になり、それからの付き合い。仕事のアドバイスをもらったり、愚痴を聞いたりと聞いてもらったりと…切磋琢磨した仲。私にしてみれば、まきちゃんとけいちゃんと同じ位、大切な人。
「メールありがとね。身体、大丈夫?」
「うん。もう大丈夫です。」 私は、笑顔で答えた。
安部川さんは、「良かったね!…あ…そうだ!…。海ちゃん、”知ってた”?!」 安部川さんが尋ねる。
私は、”?”…”何か”あったんですか?と、安部川さんに聞いてみた。
「PC科の豊川君、辞めたの。後ね…。河本主任の噂。」
私は、豊川君が辞めたのは知っていた。豊川君が辞める、数日前、豊川君から、メールで
「”本気”でやってみます!…お世話になりました。そして、ありがとうございました!」
とメールをもらっていたからだ。河本主任?…また、何か、”ヤッたの”?
「豊川さんが辞めたのは、知ってますが…河本主任?…そう言えば、最近、見かけてないなぁ?…何かあったんですか?」
安部川さんは、私を更衣室の中へと、連れて行き、河本主任の”噂”を教えてくれた。
「河本主任、戻ってきたでしょ?…奥さんと”離婚したらしい”よ。…何でかは知らないけど…?…。」
私は、安部川さんの唐突な、河本主任の話しに、驚愕し絶句した。驚きのあまり、声が…言葉がでない私。そんなことお構いなしに、話しを続ける、安部川さん。
「何でも…?河本主任の”お兄さん”と奥さんが、デキてたんだって。後…」
「…”後って…なに”…まだ…ある…の?」
「河本主任のお子さん…事故で亡くなったの。」
「……え!!?」
私は、安部川さんに思わず、尋ねた。
「お子さんって…。ウソ!?…え?!…て…言うか…安部川さん、その”噂”…誰から聞いたんですか?」
私は安部川さんに、立て続けに、質問した。
「私、河本主任の”上の”お子さんと、私の真ん中の子が、同じ小学校の同級生なの。主人が残業で居ない日に、子ども達と一緒に、夕飯食べてた時に、突然、”お母さん、お母さんが、お父さんと、”りこん”したら、”おじちゃん”が、”新しいお父さん”になるの?って。私びっくりしちゃって。子どもに、理由を聞いたの…そしたら…」
安部川さんも驚きを、隠せずにいたけど…安部川さんのお子さんが話した事を、私に教えてくれた…。




