北斗七星
あれから、2時間弱…。時間は夜の9時を過ぎていた。家に着いた。車を停め、ライトを消す…。辺りは真っ暗。見えるのは、街灯の灯り。暗さの中に少しだけ、民家がチラホラ見える…。冬は、暗さが深く感じる…。民家があまりないからか…。車を降りたうみが、空を見上げた。
「…凄く星が見えますね。…あ、北斗七星…。」
北斗七星…ひしゃく星とも聞いたことがあった。この辺りも寒く、空気が澄んでるからか…キレイに見えた。
「…また、北海道行きたいなぁ…。」 「そうだね。」荷物を持ち、家に入る。
「…なんか、温かいですね…。」 「うん。」
家の中は、寒さをあまり感じなかった。車から下ろした、スーツケースの中身を片付け、空にしたスーツケースは物置にしまう。お土産の入った袋は、ガラス屋で買ったペアグラスとオルゴールだけ出した。旅行楽しかった。今度はいつ行けるかな。その日は、少し遅い時間に、休んだ。翌日、11月2日 日曜日の午前11時に宅急便が届いた。うみがあの、鮮魚市場で購入した、魚。玄関に出て、料金を払い、荷物を受け取る。荷物を手にし、居間に戻るうみ…。
「来週も届きます♪」 「え?!来週?」
「はい♪今回は、カマスとサンマとイカをお願いしました。後は、来週にサケの半身、ホタテ、いくらです♪」
嬉しそうに教えてくれた。来週…。うみが台所に向かい、発砲スチロールを開けて、中を見て…。
「今日の夕飯に間に合うかな?」と…呟いた。
1度、手を洗い、発砲スチロールの中から、イカを2杯取り出した。後は冷蔵庫にしまう。
届いたばかりのイカを使い、何かを作り出した。その様子を見ていた俺。
イカを捌いて…。ゲソはわけておいた。
ワタを皿に…。身を細く切っていく…。?さっき鍋を火にかけていた…なんだ?小さめの器にワタを絞り出して、塩を入れて、鍋の液体と合わせて…細く切ったイカと混ぜていた。ゲソは、これから使うらしく、冷蔵庫から、生姜を取り出した。
「雷斗さん、お昼作りますね♪」 「うん…」
手際よく作っていくうみ…。と…また冷蔵庫から…サンマ…え?!
うみがサンマを捌いて…(汗) サンマの刺身…。後は、生姜をすり下ろしていた。ゲソを焼き、醤油と生姜を少し…。俺は、テーブルを拭いて、取り皿と箸を準備する。
「まもなく出来ますよ♪」 「準備出来てるよ。」
「ありがとうございます♪」
今日の昼飯…。サンマの刺身、ゲソ焼きを作ってくれたうみ…。豪華な昼飯…。「いただきます♪」早速、サンマの刺身を食べる。鮮度が良くて、適度な脂がのっていて美味かった♪ゲソは、イカの旨みと生姜醤油がよくあって、白飯が進んだ。
「美味い♪」「美味しい♪」
2人で昼飯を楽しんだ。食べ終わると、うみが、「やっぱり、サンマ4ひきで良かったです。美味しかった♪」
…最近、サンマが不漁で高級魚に近かった…。しかも、痩せたサンマ…。だから、4ひき…。贅沢すぎる…。




