バレていた
「”離婚したい”」…俺は、英に事情を話した。
「妻が…浮気?している様なんだ。妻は、今、子供達を連れて、実家に帰っている。…授かり婚でも……妻を”好きで、愛していた”…けど、今は…。」
そこまで話して、俺は黙ってしまった。英は、ジッと俺を見ている。そして…
「”今は”?……雷斗君、…君、”好きな人”ができた?」
ストレートに英は、言い放った。図星の俺。目が泳いでしまい、更に黙りこんでしまう。
更に英は、俺の”好きな人”まで、当ててしまう。
「雷斗君の好きな人……もしかして、海ちゃん?」
俺は、黙ったまま、首を縦に振る…。が…”なぜ…バレた?”…と
「…雷斗君、あの食事会で、海ちゃんに、話しかけてた時、言葉を選びながら、かけてたね。いつも、フレンドリーな君が、緊張してたからね。それと…」
「解った。もう言うな。頼む。」
俺は急に、恥ずかしくなって、慌てて、英の口を黙らせようとした。だが英は、話すのを止めない。
「…海ちゃんを見ている目、アレは”マジで惚れてる目”だったから。…姉さんも気付いてたよ。”アレはマジ”だって。」
俺は、タジタジになりながらも、英に相談した。
「…沙織と離婚したい…。ただ…惚れたけど…”彼女”…”結婚”していたから…。」…。藤原さん…いや、”彼女”に完全に惚れている俺。だが、”彼女”も”既婚者”だった。…そんな俺に、英は、しばらく考えて、俺にこう”提案”した。
「……しばらく、海ちゃんと”距離”を取って見ないか?…。」
俺は、英が言った、”提案”に耳を疑ったが、
「…あぁ…。」…と。返事を返した。
英と相談した、それから、しばらくして、俺は突如、本部へと異動する事になった。本部でも、”欠員”が出たとの事。俺は、異動した。その後、自宅に妻と子供達が戻り、賑やかな日々。戻ってきた妻は、金曜日の夜に出掛けない。反省しているのか…と言った所だ。”離婚”したい…と言う感情が、薄れつつあった。ところが…本部で勤務中に…俺に1本の電話が入る…。




