相談
俺は後日、英に連絡を取った。彼は、”土曜日の午前中なら”、空いていると話した。俺は、土曜日の午前中、彼の事務所へと向かった。彼女が豊川君に話した、あの言葉…。
「”やって見たら?…本気なら”。」
俺は、普通?「”本気なら、やって見たら”?」 なら、解るが、なぜ、”逆”に言っているんだ?…と。車を運転しながら、考えていた。陽高市内の、英の事務所に着いた。俺は事務所のチャイムを鳴らすと、中から英が出てきて、出迎えてくれた。「”おはよう。中へどうぞ”。」
四角いテーブル席へ、案内し、俺を座らせた後、英はコーヒーを淹れて、俺に出してくれた。俺は、まずこの前の、食事会をした時の、礼を英に伝えた後、”彼女…”いや、藤原さんが豊川君に話した、最後の言葉を英に尋ねてみた。「…あれ、”逆”じゃないか?」 と。
すると、英は、「”あぁ、あれか…”」 と英は、食事会の後に、会う機会があったから、英も、尋ねたそうだ。彼女がなぜ、話しを”逆”に言ったかを話してくれた。彼女曰く、
「…彼は”本気”だと思う。ただ、不安や恐怖、色んな、”葛藤”…と言うのかな?そういうのがあって、”誰かに?”止めて”欲しくて、”相談”したんだと思う。」
英は、そう話すと、コーヒーを口に運んだ。俺は全く腑に落ちず、英に尋ねた。
「…じゃぁ普通に、”止めといたら”?で引き留めたらいいんじゃないか?」 そう話した、俺もコーヒーを口に運んだ。英は、コーヒーの入ったカップをテーブルに置くと、英はこう答えた。
「”それ”を豊川君に、話しても、今度は”別”の人に”答え”を求めるだけよ。」…俺は、”あ、だから、彼女は”…と、声に出してしまった。と同時に、英は、「…”そうだよ”」 と話した。
「豊川君が、”本気”なら、既に辞めてるよって。誰かに、”止めとけ”…と引き留められるのを、待ってたんだよ。だから、海ちゃん、”誰も”止めないし”って。…海ちゃんは、”キツい言葉だし、偉そうだけどね”…。」って…。だから、彼女は、「”やって見たら?本気なら”。」と…逆の言葉”で、豊川君を応援したんだよ。豊川君、それだけでも、気付いたみたいだね。”悩み”が吹っ切れたのか、”目”に光が戻ったって。姉さんも話してたからね。俺は、英の姉も、”その事”に気がついてたのかと…”2人して…観察力?”…が”鋭過ぎやしないか”?…と
「さて…今日の”相談”は?…豊川君の事だけでは、無さそうだね?」
俺は、”本来の依頼”を英に話した…。
「……妻と…”離婚”を考えている…。」
英は、”なんとなく”解っていたのか、俺の話しを静かに聞いていた。




