観察?
運転しながら耳にした、突然言い放った衣織!俺たちを研究する?!夏休みの宿題が終わったか聞いたら、自由研究と絵日記が残っていた。まあ、絵日記は分かるが…自由研究って、普通、動物とか植物なんかを研究するんじゃないのか?!焦る俺ら…。すると衣織…。ジィぃと俺たちを見て…
「うみちゃん、前よりおっぱい大きくなったね!英くんは、前より髪が短くなった!雷斗くんは、痩せたね!」満面の笑み?!
あ然としている英!驚いて真っ赤になってるうみ!
派手にやりやがった!!思わず、車を路肩に止め…ハザードを上げた!衣織に声をかけた俺!
「衣織!!頼む!止めてくれ!!」 すると
「自由研究だから、大丈夫!」 大丈夫って何が?!さすがの英も…
「衣織ちゃん、止めよう?!さすがに、ヤバいから!セクハラだよ?」 「セクハラってなぁに?!」
「セクシャルハラスメント…」 「?わかんない!」
たった一言で英の話をおわらせ、「うみちゃん、なんで大きくなったの…?!」
「あの…その…(汗)」 完全にパニック状態のうみ!
車の中が…ヤバい事に!!…するとまた…「雷斗くんは…」 さすがに…「衣織!やめないと、家に帰るよ?!」衣織に怒った俺!…慌て驚いた、うみと英が俺を止めた!
「雷斗さん、落ち着いて下さい!」 「河本君、落ち着いて!」 「いくら子供とはいえ、言っていい事と…」 怒りで声を荒げる俺!!
「…お家帰る?…キャンプ行かないの!?」
慌てる衣織!すると、英が
「衣織ちゃん、俺たちを研究するのは止めて、これから、海に行くから、そこの岩場に行こう?生き物が沢山いるから…ね?」
「…わかった。止める。だから、お家帰らない?」半ベソになり…俺たちを見た。
「…うん。衣織ちゃん、約束してくれる?私たちを研究しないって…。」 と…うみ。「うん!約束する!だから、キャンプ行きたい!」 泣きながら約束した。
「衣織…みんなに謝って…。」 少しだが、落ち着きつつある俺…。
「…ごめんなさい…。」 …泣き出した衣織に英がベルトを外して、近寄り、背中を撫でた。
「…衣織ちゃん。大丈夫だから、泣かないで…。」 車の中に、衣織の泣き声が響いた。と…”コンコン”運転席の窓をノックする音が聞こえた。振り返ると、伊原さんが立っていた。窓を開けると、「どう…?!…」 窓を開けて聞こえた、衣織の泣き声に、驚いた伊原さん。「もう少し行ったら、道の駅だから、そこで…」 「分かりました…」
伊原さんが、車に戻るのを見届け…と…
「雷斗さん、私が運転しますか?」 俺に、心配そうにうみが尋ねた。
「…大丈夫…。衣織を頼む。」
「分かりました。一旦、後ろに乗りますね。」 「うん。ごめん。うみ…。後、英も…ごめん。」
衣織と同じ様に謝る俺…。すると、英が
「大丈夫。衣織ちゃん観察力あるんだなぁ…。ほんの少しだけ、髪を切ったのをよく見抜いたよ。」
衣織の背中を撫でながら、俺に話した。うみが後ろに乗ったのを確認し、車を路肩から出して、ここから20分位の道の駅の駐車場へと、入る。
一旦車から降り、俺と英は、自販機でアイスコーヒーとジュースを購入した。うみが伊原さんたちに、訳をコソッと教えた。衣織は、泣いていけど、車の中で落ち着いていた。事情を知って…
「自由研究じゃなくて、観察じゃないんですか?」
と…伊原さん…。




