おぼんだま
8月14日の朝、家の玄関から聞こえた「おはよう!雷斗くん!うみちゃん!」 朝から元気な衣織の声。親父が、俺の家まで送ってくれた。玄関に出ると「おはよう。衣織ちゃん。おはよう。親父」「おはようございます。お義父さん。」
「おはよう。雷斗、うみさん。衣織をよろしく。後、衣織、気を付けて行ってきてな。お小遣い、無くすなよ…。」「うん!ありがとう♪おじいちゃん♪行ってきます。」 「行ってらっしゃい。それじゃまた…。」 「あぁ、ありがとう。」 親父を見送った…。お小遣い…。ふと、衣織に目をやると、柴犬が縁側で寛いでいる、おぼんだまと書かれた袋を手に持っていた…。「おじいちゃんに貰ったの♪袋、カワイイ♡…」中身より袋…。玄関で、立ったまま、中身を開けた衣織…「5千円も入ってる!」中身に驚いた衣織。
…マジか…親父…(汗)…。いくら可愛い孫だからって…。後で親父に聞いたら、母さんと半分ずつにしたらしい…。2人して衣織に激甘だった…(汗)
一旦、台所に戻って、クーラーボックスを手に戻ってきた、うみが、俺に
「雷斗さん、これも…」 クーラーボックスを渡した。「車に付けてくる。あ、そろそろ出ようか?」「はい♪」 「うん!♪」
後は、衣織の泊まり用の鞄と俺たちの鞄を俺の車につけ、衣織を後部座席に乗せた。俺は、運転席に乗り、エンジンをかけた。
うみは家の中の戸締りをして、玄関に鍵をかけて、助手席へと乗りシートベルトをした。陽高駅へ向かう。車の中で、うみが、時計を見ながら、
「まだ少し早いかな?みんな来てますかね?」 「来てるんじゃないかな?8時45分。10分位で着くからね…。」駅の駐車場で、けいさんと豊川君、英が、立ち話をしながら、待っていた。駐車場いる、みんなの姿を見つけた衣織。車を駐車場に停めると、衣織は、後部座席から降りて、英たちの元に駆け寄って行った。
「おはよう!英くん、けいちゃん、とよかわくん!」 「おはよう!衣織ちゃん!…なんか、また大きくなった?」 豊川君が衣織を見て驚いた。「これ履いてるから♪」 衣織のサンダル…。少し、踵が高い…。「あ、だからかぁ…びっくりしたよ。」急に背が高くなったと驚いたらしい。
と…けいさん。
「つきちゃんたち…あ、きたきた!」
伊原さん達が乗った車が、駐車場に入ってきた。
颯爽と運転し車を、俺の車の隣に停めた伊原さん。すると…
「伊原さん、かっこいいですね!」
「分かる!かっこいい!」 けいさんとうみが伊原さんの運転する姿に驚いて、見ていた。た…確かに…。って?!サングラスしてる!
目が悪い伊原さんは、度が入ったサングラスをかけていた…。
「めちゃくちゃ怖ぇ…」 豊川君がボソッと呟いた…。また火種を…。加藤主任が聞いてないから良かったものの…(汗)…。
車から降りる加藤主任、明里さんが降りてきた。伊原さんは、後部座席の扉を開け、ビニール袋を取ると、俺たちの元に来てくれた。「おはようございます。これ、畑で取れた野菜です。」 俺に手渡してくれた。サングラスも相まって…なんか…(汗)…だが…「おはようございます。伊原さん。ありがとうございます。」野菜を受け取った。
「スイカはどうします?」と…俺に尋ねた…。 「伊原さんの車で大丈夫ですよ。」 「分かりました。そういえば、けいさん達、歩いてきたん?車無いから。」
「うん。新しいアパートこの辺だからね。」
「そういえば、そうだったね。あ、河本さん、明里さんとこの、チャロくん、ペットホテルに預けてから、向かっても大丈夫ですか?ホテル、9時半からなんだそうです。」伊原さんが俺に尋ねたあと…
「すみません…。」 「申し訳ありません…。」加藤主任と明里さんが謝ってきた。
「大丈夫ですよ。ね、うみ?」 「はい♪」
「!チャロくん居るの?!会いたい!」衣織が明里さんに尋ねた。すると…
「居るには居るんだけど…置いてかれるからって分かってるのか、不貞腐れちゃって…(汗)」困り気味の明里さん
「俺が撫でようとしたら、シャャァァー!!って
(汗)」加藤主任の手には、チャロくんの引っ掻き傷…(汗)




