けんざい
墓参りを済ませ、雷斗さんの実家で夕飯を頂いた。私もお手伝いをさせてもらう。
「うみさん、コップと取り皿お願いね。割り箸は、そこの戸棚にあるから。」 「分かりました。」
「沙織さんは、これ持って行ってね。ナス漬けときゅうり漬け。後、ユウガオの煮物。」
「はい。あ、お義母さん、鯉は…」 「鯉ねぇ。置き場所あるかしら?」 「見てきますね。」
お義父さん達がいる、居間のテーブルは広く、まだ、お料理がおける。沙織さんがお盆に乗せた、お料理をテーブルに置くと…衣織ちゃんがナス漬けをつまみ食い…。すると…
「衣織、お行儀悪い…。」 お義父さんが注意した。だけど…「美味しい♪おばあちゃんのナス漬け♪」
お義父さんが注意しても何処吹く風の衣織ちゃん…(汗)…すると…「…衣織、美味しい?良かった♪」 「?」 「…それ、私が漬けたの(笑)お義母さんに教わりながらね。」 「?!ママが?!」 「え?!」沙織さんがナス漬けを漬けた事にびっくりした、衣織ちゃんとお義父さん…。と…。
「ただいまぁ…いなりずしと海苔巻き取ってきたよ。お盆は、配達してないんだな。知らなかったよ…。」お義兄さんの柊斗さんがお寿司の入ったプラスチックの寿司桶を手に帰ってきた。雷斗さんは、台所に行き、お茶、ジュースに、ノンアルコールビールを取りに行っていた。台所から戻ってきた雷斗さん。
「みんな、母さんが鯉食べるかって…?」
「食べる♪」 「食べる。」 「俺も食う。」 「兄さん達は?」 「俺は衣織のをもらう。」
衣織ちゃん即答…。お義父さん、雷斗さん、お義兄さんが衣織ちゃんと一緒。沙織さんは、苦手らしく…。「すみません。私は、遠慮…」 「知ってるよ…。昔、大変だったんだよね…。」 ?大変?…あ、もしかして…?…と…雷斗さん…。
「うみは食べる?」 「私も頂いていいですか?」
「もちろん。あ、うみ手伝って。」 「はい。」台所に向かうとお義母さんが、鯉のうま煮をお皿に盛り付けていた。雷斗さんが教えてくれた…。
「…沙織さん、昔、鯉の骨が喉に刺さった事があったらしくて、それ以来、鯉は苦手なんだ。」
すると…お義母さん。
「今回は、鯉のカルシウム煮。骨まで柔らかいのを買ってみたの…。衣織もいるからね。」
…お義母さん、優しい…。あの頃の…イチコロ先生じゃない…。鯉のカルシウム煮をテーブルに持っていくと…衣織ちゃんが、またナス漬けをつまみ食い。すると…
「衣織!お行儀悪い!!!」 突然のお義母さんの雷に驚く衣織ちゃん…(汗)…。沙織さんたちも驚いて…(汗)
…やっぱり健在だった…(汗)
お義母さんのお料理を堪能し、結婚式の時の話や、雷斗さんやお義兄さんの小さい頃の話をしながら、お盆入りの夜は賑やかに、過ぎた…。雷斗さんの実家を出で、家に帰ってきたのは11時前…。帰り道…不思議な感じがした。人々が眠った暗い民家…。夜の田舎道を通る、雷斗さんの車…。何となくラジオを付けていたけど…ソワソワして落ち着かなかった…。どう話したら分かるのかな…。この道路が、何故かだか分からないけど…通っては悪い様な気がしてならなかった…。




