しばい
…ソフトクリーム…なんて話したが、衣織を兄貴に預ける為の芝居…。とにかく、衣織を巻き込む訳には…と思い、土産屋を出た後、スマホを取り出し、仁科室長から、電話がきた振りで出て、1人、喜多の郷の土産屋のロビーに残り、兄貴に連絡を取った。兄貴に事情を話した所、すぐに向かうとの事。出張を理由に来て、そのまま自宅直帰とする…。道の駅、なごみ…。ここで、兄貴と待ち合わせ…。車を駐車場に停めた。
「明里、衣織ちゃん、起きて…。ソフトクリーム食べない?」
加藤主任に起こされて、2人とも寝ぼけ眼で、加藤主任に「「食べる…」」 しかも同時に…(汗)…
「…やっぱ似てんなぁ(笑)」伊原さんが笑っていた。
「似てる(笑)」 と…加藤主任…。ふと、うみをみた俺…。車の窓から外を見ていた…。
「あの方?雷斗さんと似て…あ、お義兄さん?」
…うみ、ナイス!
「?!兄貴?あ…」 「河本主任のお兄さん?」「?あ、本当だ…。」と加藤主任と伊原さん。
車から降りた俺。
「兄さん!」 「?!雷斗?!…あ、ドライブからの帰りか?」 「そうだよ。衣織ちゃん、居るから。兄さんは?」 「出張の帰りだ。このまま、家に直帰だ。」 「なら、衣織ちゃんと帰る?」 「…そうするか。」 「呼んでくる。あ、ソフトクリーム食べるって話してたんだ。兄貴もどう?」「いいな。久しぶりに食べるか。」
車に戻る、俺。
「衣織ちゃん、パパ居るよ。一緒にソフトクリーム食べるって。」 「!パパいるの!?どこ?」
「アソコに居るよ。」
俺の車に手を振る兄貴…。衣織と皆も車を降りた。
「こんにちは。お久しぶりです。お義兄さん。」
「海さん。こんにちは。衣織がお世話になりました。」 「パパ!ソフトクリーム食べる!」 「うん。?…衣織、指のそれ…なに?」 「?あ、これ…ほうせき…?」 「八方よけと言うお守りです。」とうみ…。
「綺麗だね。でも、ソフトクリーム食べるから外そうか。」 「うん。」八方よけを左手の中指から外し、ポケットに仕舞う衣織…。みんなで、売店へと向い、ソフトクリームを買った。ソフトクリームを食べながら、兄貴が、衣織に話していた。
「衣織、パパとお家に帰ろう。」 「うん。」
「ソフトクリーム食べ終わったら衣織ちゃんのお土産、渡すね。」 と…俺。
「お土産あげるのか!楽しみだな♪」
兄貴が嬉しうにしていた。ソフトクリームを食べ終え、一旦、俺の車へと戻り、衣織の荷物を取ると、衣織達の元に戻り、土産を衣織に渡した。
「ありがとう。雷斗くん!またね!」「また遊びに行こう!またね。衣織ちゃん。」「衣織ちゃん。楽しかったね。またね♪」
明里さんが衣織に手を振りながら、話していた。
「またね!あかりちゃん!つきちゃん、かとうくんもまたね!うみちゃんもまたね!」
「気をつけてね。衣織ちゃん。またね♪」 「またね。衣織ちゃん。」「またね。衣織ちゃん。」
「衣織、行こうか。」 「うん!」
兄貴と衣織を見送り、俺達は車へと戻った。車へ乗る前に、明里さんが
「あ、私、お茶買ってきます。」 「あ、俺も行くよ。」 「うん。」 一緒にお茶を買いに自販機に向かった加藤主任…。
その隙に…伊原さんが…
「陽高市のファミレスに行こう…。そこで、決着を付けるから。車の中では、また適当に話そう。後、やっぱり、ついて来てて、今も居るな…。」
加藤主任たちの姿を確認する素振りで、辺りを見渡す…。すると…駐車場の入り口付近に車を停め…スマホをいじりながら、平間は、こちらの様子を伺っているようだった。




