優しいよ
車に乗ると、河本がエンジンをかけ、「14時45分か。どうする?」 海さんに聞いた。「喜多の郷に行きましょう♪」「いいねですね。行きたいです。」 と…つきさん。
「?何処です?そこ?」 「ここに来る前にあった道の駅。お土産もあるよ」
お土産と聞いた衣織ちゃんと明里が「!行きたい!」「私も!」と声をあげた。
「じゃぁ行こうか♪」 「はい♪」
伊佐須美神社を後にした。ふと、衣織ちゃんを見た俺。神社を出てからも、八方よけを手に付けていた。キラキラ光る八方よけ。河本が外さない?と聞いたら、「付けとく!」 と言って、ずっと付けていた。
「衣織ちゃん、この八方よけ欲しい?」
「!欲しい!」 「あげる。」 「いいの?!」
「うん。今持ってるのは、明里に渡して、俺のをあげる。つきさん、大丈夫ですか?あげても。」
「いいよ♪」
「良いんですか?!加藤主任。伊原さん。」河本が運転しながら、俺たちに聞いた。
「はい。衣織ちゃん、ずっと付けてるから。よっぽど気に入ったんだなって。この八方よけは、2つで1個なので。」 衣織ちゃんは、付けていた、八方よけを左中指から、取って、明里に返し、俺の八方よけを受け取ると、左中指に付けた。「ありがとう!かとうくん!」 嬉しそうな衣織ちゃん。その様子に、つきさんと明里が…
「なんか…兄さん、優しいね。」 「朔夜さん優しいな♪」
俺は、つきさんの笑顔に思わず…
「つきさんの方が優しいです…!」
「そうかなぁ?」 「はい♡」その様子を見ていた明里が、俺たちに…
「…いいなぁ…。」 羨ましそうに呟いて、俺たちを見ている明里(汗) と…助手席にいる海さんも
「分かります。私も加藤主任と伊原さん、優しいしから。」なんて、話すもんだから…
「俺…優しく…ない?…(汗)」
へこむ河本…。と!!「信号!赤!!」 つきさんの大声!!「!!」
咄嗟に急ブレーキをかけた河本!!
「わっ!」 「「きゃ!?」」 皆が、声をあげた。
つきさんが慌てて、後ろを振り返って見た!
「後ろの車、距離取ってたから良かった…。」
戻ったつきさんは、俺を見て…
「朔夜さんと…皆の方が優しいよ…。」…俺をみて、話してくれた。




