トラブルメーカー
朝、PC科に出勤すると、休憩室で、浮かない顔をしてる仁科室長…。何かあったのか…。と…。
「…参ったな…。どうするか…。」 独り言にしてはデカい声とため息…。「どうしました?仁科室長?」
と、星野主任…。待ってました!とばかりに…話し始めた仁科室長。
「…実は、業務課に配属された方がいるんだが…。どうも、ここに来るらしいんだ…。その方が、ちょっと問題があって…。今日は、一応、見学にくるらしい…。」
ここに?問題?
「…問題??」 と星野主任。
「どうも、トラブルを起こしやすくてね…。分からない事を聞かず、そのまま放置して、トラブルを起こし、注意すると騒ぐらしいんだ。業務課の、伊原さんとぶつかったらしく、伊原さんがマジギレしたらしい。」
は?伊原さんが?マジギレ?
「福山課長と加藤主任が伊原さんを止めたらしいが…凄かったらしい。」
と…。
「おはようございます…。」休憩室に加藤主任が入ってきた。沈んだ顔をしている加藤主任…。
「あ、おはようございます。加藤主任。…伊原さん大丈夫?」と…仁科室長…。
「…はい。ですがあんな、伊原さん初めて見ました…。」 落ち込み気味に話す加藤主任。
「伊原さんが悪い訳じゃないから。」
と…慰めた仁科室長…。
「確かに、伊原さんは、悪くは無いです。」
「とにかく、ここでも、要注意しとかないと…。」
「はい。」
加藤主任はともかく…と…仁科室長
「朝礼を始めますか…。」 沈んだ顔の仁科室長。
「はい。」 と…皆で朝礼を始めた…。
午前中の講義中…。その方と仁科室長が一緒に来ていた。年齢的には30代位か…。なんて思っていた。午前中の講義を終えて、休憩中。加藤主任と星野主任と、休憩が一緒だった。俺は、加藤主任に伊原さんの事を聞いた。食欲がないのか、あまり弁当を口にしない加藤主任…。
「昨日です。騒ぎがあったのは。伊原さんが仕事してる最中に、その方のミスを見つけて、注意したのがきっかけで、大騒ぎになったらしくて。」
「伊原さんがなんのミスを見つけたの?」
「その方が間違えて物品を頼んだらしく、それを伊原さんが注意したら、パワハラだって騒いだらしくて…。だけど、福山課長もその方に注意したら、今度は伊原さんに噛み付いたらしくて…。」…。「そ、それで?」
「その方、伊原さんに、少しのミスで大袈裟だって…。」それを聞いた星野主任…
「少しのミスって…。」 と呟き、絶句した。
「…それで伊原さんがキレて。」 「伊原さんはなんて?」 と、俺…。
「いい加減にしろよ?…アンタのミスをカバーしてるのは、うちや周りの職員だ。うちならともかく、周りの職員に頭下げろよ?謝れ!(怒)」
って。…スゲェ…伊原さん。
「たまたま、ここで使う、新しいマウスパッドを取りに行ってた時に起きたから、慌てて伊原さんを止めました。」
弁当を残し、ペットボトルの水を飲む、加藤主任。少し水を飲むとふぅと息を付いて、星野主任と俺に教えてくれた。
「伊原さんが言うには、彼女のトラブルは、色々あり過ぎて、その度に、他の職員がカバーしてるんだ…と…。1度や2度じゃない…。困るのは、分かってない事を放置して、分かるふりをし、トラブルを起こすんだとか。で、こっちがアドバイスすれば、嫌な顔、注意すればパワハラ。そして…」 「そして?」
と星野主任。
「泣きついて、上司に助けを求める。そして、媚びへつらうタイプだと……。」
…なんか…マジでヤバくない…か…?




