案の定…
朝、7時過ぎ…。俺は、目が覚め、スマホを手にした。 「”…今何時だ”?…」………!! ッエ”ッッ!!
俺は一気に血の気が引いた。スマホは”7:35”…と表示している。完全に寝坊した俺。ベットから飛び出した。「”何で、起こしてくれなか……居ないんだった”」…毎朝、”子供”たちが、寝室に駆け込んできて、俺を起していた。
「パパ!!起きて!!」
その度に寝たフリをする。上の子は、優しく起こしてくるが…下の子は容赦ない。”叩き起こす”。優しく起こす…と、とは無縁…破壊力がハンパねぇ…。寝室に向かって、発射された、”小型のミサイル”が、走って来る音。ドアをガン!…と、勢いよく開け、”目標発見!”と言わんばかりに、俺が寝ているベットに一直線に走ってきて、「”パパ!?朝だよ!”」 の声と共に…ドギッィ!…「”…ッ!?…っってぇ!?……コノヤロー…♪」子供を捕まえ、イチャつくて、起きる…
痛いけど、可愛いくて仕方なかった。…1度股間にヒットして悶絶した事もあるが……今は…それどころじゃねぇ!俺は、身支度もそこそこに、自宅を出た。朝飯も摂らず、職場へと車を走らせた。
「…間に合うか!!?」昼飯も買わず、職場まで車を飛ばす。
「……ま…間に合った…。」
PC科へ向かう途中に、スマホを見た。”8:26”…。始業4分前…。俺は、業務に当たる前に、休憩室で、昼飯の予約をしてから、PC室へと戻った。
…今日は、”タッチタイピング”の練習。
その後は、新しい講習生たちへの講習。午前中の最後の講習生が帰った、昼の12時30分…ようやく、朝飯…?いや朝昼兼の飯にありつけた。俺は、予約した弁当を、PC科休憩室で、夢中で食べていた。PC科の職員、仁科光貴室長と、田山みれいさん、莅 潤さんが、夢中で食事を摂っている俺を、見ていた。仁科室長が俺に声をかける。
「?…そんなにガッついて、朝ごはん食べてなかったのか?」
俺は、弁当に入っていた、揚げ物を口に入れていたため、うんうんと首を縦に振る。一気に弁当を平らげ、お茶を飲み干した。…やっとひと心地着いた。
「…俺、いえ、私、今日寝坊して、朝食も摂らずに出勤したんで…。もう腹が減って、限界寸前でした。」 そう仁科室長へ話すと、田山さんが「”珍しいですね。河本主任、何時も早く出勤するのに”。」 と田山さんは、お茶を飲みながら、俺に話す。俺は、”妻”が子供たちを連れて、出ていった”とは言えず…「”昨日、録画してた、ホラー映画を観てたら、眠れなくなって”…。」と誤魔化した。それを聞いた、莅さんの目の色が変わると同時に、「”この前のロードショーですよね?私、見ました。怖かったですよねぇ。でも、心霊とか…」
休憩室のドアが突然開いた。昨日、電話で話しをしたPC科の職員、豊川夏樹君が、慌てて飛び込んできた。そして、開口一番にこう話した。
「マジ”大学生”みたいでした!!」
俺は、意味が解らずにいた。と…「”やっぱりぃ”?凄く変わったよね!今日、更衣室出ばったり会ったの。」 と田山さんが豊川君と話している。と…俺のスマホが鳴った。ポケットから、スマホを取り出して見てみると、メールだった。差出人は”豊川夏樹”…と表示されている。内容は、
「”皆さんの前では、話せないので、近々、食事に行きませんか”?…」
”昨夜の件”……”皆”がいる前…確かに。俺は、「”了解”」と送ると、改めて、田山さんに話しを聞いてみた。
「”変わったって何がです”?」 と。
すると、田山さんは、俺を揶揄うように、話してくれた。
「今日、更衣室で、”大学生”に会ったの。」
俺は、”大学生?…更衣室で?”…俺は、理解出来ずにいたが、その”大学生”の正体を、”別の場所”で知り、驚愕する事になるなんて、想像もしてなかった。




