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相談にのる

独りの夜を迎えた俺は、風呂に入っている。いつもなら、”子供”と入るが、今日は1人で入っている。久々に足を伸ばしてゆったりと浴槽に使った。

「あ゛ー…。」

普段、浴槽には、入浴剤を入れないが、今日は、好みの入浴剤を入れた。「”明日から仕事か”」 …俺は、湯船に浸かりながら、一昨日、コンビニで見かけた、”彼女”の事を思い出していた。

「”……なんで、あのコンビニにいたんだ?…それも……”」

俺は、”彼女”…同じ職場の別の科…介護福祉科の藤原 海が、最近、少し気になっている。あの日、俺が、”ヤラカシタ”せいで、”彼女”がキレた。彼女の纏う空気が、瞬時に殺気に変わる…そして”目”が、今にも、俺を殺りそうな”目”を、していた。あの”目”は、マジでヤバかった…。だけど…俺が”提案”した、”研修会”での終わりで見せた、”彼女”のパソコンを打つ手や、ひと息付いた時の、顔つき…帰り際に魅せた笑顔…。…よくよく見れば…。

「ダメだ…のぼせる。」

浴槽から出た。「…ふう…」ひと息つくて、風呂場からでた。脱衣場でバスタオルで、身体を拭き、服を…”パンイチ”でいいか。俺はそのまま、リビングへ行き、キッチンの冷蔵庫に向かう。

「確か…お、あったあった。」

妻に見つからないように、冷蔵庫の奥に隠していた、缶ビールを…「”プシッ!!”」…そのまま、一気に飲み干す。

「……く…っぅぁぁー…やっぱ…ウメェ!!」

思わず、声にだした。普段は、子供たちや妻のいる前では、飲まないようにしている俺。こんな状況だが……細やかな幸せを味わっていた。イッキに飲み干したからか、たちまち酔いが回る。俺は飲んだ、ビールの缶をそのままキッチンの流しへと置くと、そのまま寝室へと向かった。服を着て、ベットに入る。スマホを手に取り、アラームをセットしようとした時だ。突然、鳴り響くスマホ。ほろ酔いの俺は、「”うぁ”」… と声を出して、スマホを太ももに落とした。「”いって……誰だ?こんな時間に?」

落としたスマホを拾い上げ、画面を見た。

「”豊川 夏樹”」 と表示されている。俺は、「”珍しいな?…何かあったか?」…俺は、出てみた。休みの日は、極力、電話に出ない。休みの日まで仕事のことを、考えるのは、マジでカンベン。

「はい?…河本です。」

電話に出た俺の耳に、若い声が刺さる。

「河本主人?こんばんは。遅くにすみません。…今大丈夫ですか?」

俺は、「”少しなら”」 と話して、豊川君と話した。

少しのつもりが、2時間近く話した。

「…とりあえず、明日また話し聞くから。…じゃあ…。また明日。」

電話を切ると、どっと眠気が押し寄せた。俺はアラームをセットするのを忘れて、眠った。


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