ひとり飯
独りの日曜日は、ゆっくりと過ぎて、俺は、自分で、溜まった洗濯物を洗濯し、リビングと廊下を掃除した。「”他のことが、からきしダメ”」とは、利用者…いや、受講者には言いつつも、これくらいなら、やれる。…いつもは”妻”が、掃除や洗濯をしてくていた。…”妻”は”子供たち”を連れて、実家へと帰っている。夫婦喧嘩?では無いが…”妻”がやった事が、許せずにいた。…子供たちに会えない寂しさはあるが、しばらくは…独りで居たい。掃除をしながら、そう思っていた。掃除機をかけ、フローリングシートで拭く。風呂も掃除した。排水溝に溜まった、俺と妻の、子供たちの髪の毛を取り除く。
「…?何だこれ?…」
排水溝のプラスチックの網に、髪の毛と共に絡まっていた。
「……袋の…切れ端??…」
髪の毛を手で、掻き分けていく。洗剤で、ヌメヌメとした髪の毛の束から出てきた、袋の切れ端…。ジッと見てみた。
「これ…試供品の??」
俺は、金曜日の夜に妻が、シャンプーの試供品を使ったと言っていた事を思い出した。
「……マジかよ?…」
俺は、妻が本当に、シャンプー試供品を使った事を知った。ただ、袋を開けた切れ端だけで、下の
パウチの部分は、見ていない。俺は、集めた髪の毛を、ビニール袋にまとめて、ゴミ袋に捨てた。
風呂掃除が終わり、2階のベランダで、洗濯物を干した。
「”あれ?柔軟剤変えたのか”…?」
今頃気付いた。あまり好きな香りじゃないが、まぁいいか。…洗濯に掃除。終わった頃には、午後3時をすぎていた。俺は、「…”疲れた”。」 と呟くと、冷蔵庫を開けた。「……何か…お!…焼きそばがある。…夜飯コイツでいいや。」
妻が買っておいたのだろう、焼きそばがあった。ゴソゴソとキッチンを漁る俺。インスタントのわかめスープもあった。「”コレも食おう。”」
独身時代に戻った気分だった。冷蔵庫から、麦茶を取り出し、グラスに注いで、リビングに戻る。
テレビをかけ、予約録画していた、番組を見る事にした。たまたま、子供たち用に買っていた、スナック菓子を開け、録画を見ていた。俺が見ていた録画は、子供たちには観せられない、怖いヤツ。ホラー映画だ。最近、ホラーとか心霊とかは、あまり放送されず、たまたま、テレビのCMで放送日を知って、録画していた。手に汗を握りながら、画面に齧り付く。「”…めちゃくちゃ怖ぇぇ”」
と呟やきながら見ている。全部観終わって、録画を消す…怖かったが面白かった。時間は、丁度、夕方6時になろうとしている。「…さて、メシ作るか。」…俺はキッチンに向かうと、冷蔵庫から焼きそばを取り出し、作り始める。「…あ〜。…美味そう…久しぶり…。」 そうやって俺の日曜日が終わった。