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チャペルまで…

「伊藤さん、私、先にチャペルに…。」 「分かりました。」 俺たちを案内した東雲さんは、先にチャペルと向かった。家族と別れ、玄関の自動ドアを出た俺たち…。車が1台…しかもオープンカーが停まっていた…。

「こちらのオープンカーでチャペルへと向かいます。どうぞ。」

伊藤さんがドアを開けた…。すると…

「本日、運転の担当をさせて頂きます大滝と申します。本日は、誠におめでとうございます。チャペルまでは、こちらの車で向かいます。お嬢様を前に。お2人は、後部座席へとお願い致します。」


衣織が助手席に乗り、後部座席の奥に、うみ、俺の順に乗る。


「では…チャペルに向かいます。あ、お嬢様、シートベルトを…。」


「!は…はい…(汗)」

…衣織…緊張して、声が裏返ってる…。

優しい声で衣織にシートベルトをする様に、伝えた後……「では、参りましょう…。」


ゆっくりと車を発進させた。風もなく…暑い陽射し…。5分でチャペルに着いた。


「お疲れ様でございました。こちらがチャペルになります…。」


車がチャペルの前に到着すると、先にチャペルに来ていた東雲さんと他のスタッフが出迎えてくれた。車から降りると…2人のスタッフさんが…挨拶をしてくれた。


「河本様。お疲れ様でございます。本日こちら、お式のお手伝いをさせて頂きます、四ツ谷と申します。同じく花桃と申します。本日は誠におめでとうございます。」


「よろしく…お願い…しま…す。」 「よろしく…お願いします。」


緊張で、声が…。と…衣織が、俺の後ろに隠れた。

と…東雲さん。


「衣織ちゃん、大丈夫だよ。」 優しく微笑みながら、声をかけてくれた。


「衣織ちゃんカワイイね♪…さあ、衣織ちゃんにはこれから、大事な役をしてもらうから、よろしくね♪」

と…花桃さん。すると…

「…出来るかなぁ…(汗)」と…不安気な衣織。

「大丈夫だよ♪衣織ちゃんなら出来るよ♪」

と…うみ。「…うん!」笑顔が戻った衣織。


3人でチャペル内へ…。扉を開いた…。花桃さんが

「ここがロビーになります。この内扉の向こうが、ロード、祭壇になっております。内扉を開けます…。」

…扉の向こうは…両脇が参列者席。真ん中に…赤い絨毯が祭壇まで続いていて…。祭壇両脇には、ステンドガラス…。祭壇には、十字架とバラなどの美しい花が飾られていた。静かに音楽も流れていた…。

「…素敵…。」

うみが呟いた。…衣織もその式場を緊張した面持ちで、ジッと見ていた。

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