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はなよめ

伊藤さんに、新婦控え室へと案内された俺と衣織。伊藤さんが新婦控え室のドアをノックし、

「…失礼致します。新郎様と姪御さんをお連れしました。」

「どうぞ…。」

中にいるこの声、東雲さんだ。

控え室に入ると、そこには…椅子に腰掛けた、ウエディングドレス姿のうみ…。俺と衣織の姿を見て、名前を呼んだ、うみ…。


「…雷斗さん…衣織ちゃん…。」


声をかけられたが、返事を返す事なく…美しいうみに…ただただ…見惚れ…そして更に、好きに…愛おしく、尊くなっていた。


「…うみちゃん…綺麗…。」


衣織の声で、我に返った俺。ようやく…


「…海さん…綺麗です…。」


また何故か敬語になった…。

「雷斗さん、また敬語になってますよ…。」

くすくす笑う、うみ。



雷斗さんが私の控え室に来てくれた。

…何も言わない…。やっぱり…。と…


「…うみちゃん…綺麗…。」


先に衣織ちゃんが感想を…。と…我に返った雷斗さん。


「…海さん…綺麗です…。」


やっぱり、敬語だった(笑) 雷斗さんは、何か感動した時は、敬語になる…。それが分かったのは、つい最近…。見惚れていることも、手に取る様に分かった私。


…綺麗…。雷斗さんの言葉に…嬉しくて仕方なかった。時間は、12時半を過ぎていた。

雷斗さんの支度より、衣織ちゃんや私の支度が時間がかかっている。


「御用意が整いました。時間は、12時50分。チャペルへと向かい、リハーサルを行います。その後休憩を挟みまして、お式へと進みます。」


と…東雲さんが、ジャケットの内ポケットから、PHSを取り出し何処かに電話をかけた。


「東雲です。お疲れ様です。河本様の御用意が整いました。これからチャペルへと向かい、リハーサルを行います。四ツ谷さん、花桃さん、スタンバイは…?…分かりました。伺います。」


電話を切り、東雲さんが


「では、ロビーに向かいましょうか。」


「はい…。行きますか。海さん、衣織ちゃん。」 「はい…。」 「はい…。」


衣織ちゃんまで緊張していた。


ロビーへと向かう…。私のドレスの裾とベールを伊藤さんが持ってくれた…。


ロビーでは、雷斗さんのご両親とお義兄さん達が待っていてくれた。本の少しだけ…。と…。

「雷斗さん!海さん!素敵!!衣織も可愛いわよ!」

「素敵ね。2人とも…いいわね!…ね、あなた…って…(笑)」



今度は、お義父さんとお義兄さんの柊斗さんが…雷斗さんと同じリアクション(笑)


この3人…似てる…(笑)

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