保険
豊川君がホームセンターでバケツとかを買ってきてくれた。後は、昼飯。手を洗い、少し早めに休む。けいさんの台所を借りて、1度手を洗い、昼飯を食っていた。コンビニのサンドイッチ。
「…豊川君、お金。」 と、けいさんが払う。みんな昼飯代を払った。釣り銭無し。と、伊原さん。
「…金で思い出したけど、あの保険料だったかな?…差額発生するから、チョッキリ振り込めって電話来た事あったよ。」
「…保険?」 「あぁ…。あれ、面倒なんだ。」
「なんの保険ですか?」 「…。」 「??
」 何も言わない伊原さん。伊原さんは、苦虫を噛み潰したような顔をして、
「…1度辞めて、失業保険すら中々出なかったし、ナケナシの貯金崩して、その保険払って文句言われて(汗)…身動き取れんかった時だったから、かなり頭に来てたよ。今は、職についてるから、良いけど…。…あ、そうだ。けいさん。」
サンドイッチを頬張ってる、けいさんに伊原さんが声をかけた。
「…ごめん。食べ終わるまで」 「飲み込んだ。大丈夫。何?つきちゃん。」
「罹災証明書の手続きとか、災害保険とか使う?」
「…貸家だからね。大家さんに相談するよ。」
「その方がいいね。あ、さっき、家の中の状態をスマホカメラで撮ったのは、保存して下さい。罹災証明書とかで必要になるから。」
な…なんか、伊原さんって、スゲェな…。俺でさえ、知らない事を…。
「伊原さんって、何でも分かるんですか?」 と、加藤主任と豊川君が同時に尋ねた。珍しいコンビ。スポーツドリンクを飲んでいた、伊原さん。すると…
「災害が発生すると、ニュースなんかで、罹災証明書とか政府がとか、やってる。だからけいさんにお願いしただけ。もしかしたら、役に立つかもだからね。…何でも、知ってるわけじゃない。」
…にしたって(汗)…。と、うみが
「伊原さん、経験豊富なんじゃないですか?…じゃなきゃ…(汗)」
「…経験…ねぇ…。」
…頭をかきながら…空を見上げた伊原さん。
「…経験があれば何でも出来るのかな…?」
そう切なそうに呟いた伊原さん…。
早めの休憩を切り上げて、今度は家の中を片付ける。
「水吸ったな。タオルを絞って…。溜まっている泥は、伊原さんが持ってきた小さい目のスコップで……。」
畳じゃなくて、よかったと…内心思っていた俺。
「うわぁぁ!!」
と豊川君の声が聞こえた。
「…お風呂場が…と…トイレが…!」
「あ~…排水きかないからな。ホースで…サイホン原理で、水を出そう。バケツに…」と、伊原さん。
「…はい…。…重い…しかも…臭い(汗)」と豊川君…。
下水も上がって来てるからな。仕方ない…。
何度か、汚水を外に…。と…。
「こんにちは!根岸さん!」
と、誰か来た??




