声のヌシ
「けいさん!」 聞いた事ある声が聞こえた。
「!?豊川君?!」
豊川君が、立っていた。なんで豊川君がここに?! 作業の手を止めて、けいちゃんが豊川君に歩み寄って行った。と…そのまま、けいちゃんを抱きしめた。
「…無事で良かった…。さっき着いたんだ。」
「…恐かった…。」
しばらくけいちゃんを抱き締めた後、豊川君は
「車、路駐してるから、湯町中に停めて来るよ。」
「…うん。」 「あ、なら」
作業の手を止めて、けいちゃん達の元に、近寄る伊原さん。
「おはようございます。豊川さん。すみませんが買ってきて欲しい物があります。」
「おはようございます。伊原さん…。」 「?」
なんか…豊川君の様子が変?
「?…どうしたの?豊川君?」 「あ、いや…何ですか?」
「…ホームセンターで、バケツを2つ。後、ホースを1つ。鉄かアルミスコップを2つ…。後、昼ごはん。」
「?お昼ごはん??」 「…そう。」
伊原さんは、左手首を見て…
「あ、またやった(汗)…昔のクセで(汗)」 …とけいちゃん。
「つきちゃん、腕時計してたもんね。」
「最近してないけど、クセついてて(汗)」
「分かりました。」
スマホメモにメモし終わった豊川君。と、家の中から、加藤主任が出てき来て、伊原さんに声をかけた…。
「けいさん!…?!…豊川君…!?な…何で?」
「!加藤君?!…あ、じゃぁ、行ってきます!」
「あ、お金…。」 「後で!」
慌てて逃げるように買い出しに行く豊川君。
その様子にけいちゃん……「怯えてた(汗)」
「え?お、怯えてって…。なんで?」 と…私…。
「うん。豊川君、加藤主任がコワイみたい(汗)」
…何にも言えない…。と…けいちゃんが加藤主任に近付いた。
「台所の食器類、これで最後です。」台所用のタライに無造作に入れた、泥にまみれた食器類。
「ありがとう…。」 タライを受け取る、けいちゃん。
「けいさん…中に入りますね。後、冷蔵庫内のは、けいさんが捨てて下さい。」と加藤主任。
「分かりました。後、居間の荷物は、全部出し終えたから…。」
「タオルを敷いて水を吸わせてます。」
「ありがとうございます。」 と、雷斗さんが中から出てきた。
「午後からは、中を片付けよう。冷蔵庫は、運び出せないから、明日も…。」
などと話していた…。




