レモネード
ゆり園に行って、そのまま、つきさんのアパートに泊まることに…。まあ…そのつもりで、着替えを持ってきていた俺…。買い出し済ませて、つきさんのアパートの部屋…。ひと息入れていた。俺は、アイスコーヒー、つきさんは、レモネードを飲んでいた。
夕方4時半過ぎ。雷と共に豪雨…。毎年この時期…。雨が容赦なく降る。窓を閉めて…つきさんは、空を見ていた。
「…真っ暗…うちが小さい頃、こんな降り方しなかった。もっとこう?なんて言うんだ?シトシト降るような?感じだった。」 「分かります。最近ですよね?線状降水帯とか聞くの。」 「…うん。」つきさんは、テーブルに戻り、座りレモネードを1口…。
雨足は、更に勢いをましていく…。雷も酷かった。そして…
「…頭痛い。薬飲む…後、ニュースみる。」 「はい。」
急な気圧の変化に耐えられなかったつきさん。
頭痛薬を小さな箱から、取り出した。
「結構前にお土産にもらった箱。このサイズで、この硬さ、あんま無い。だから、使ってる。」
正方形の水色の箱。魚の絵が描いてある。
「…後、6錠か。胃薬も6錠。次の受診まで、1週間あるな。…間に合うといいけど。」
カロナール2錠と胃薬1錠を、手にし、台所に向かったつきさん。洗ってカゴに伏せてある、マグカップを取り、水を汲んで飲んでいる…。
つきさんが飲んでる痛み止め。カロナール。後、胃薬。処方薬だった。カロナールは、市販されているけど、胃薬は、見た事無かった。…今、受診って言ったな?…受診て…なんだろう?
「…つきさん、受診て何ですか?」
「病院。前から診てもらってる。」
「どこが悪いんです?」 「貧血」
貧血? つきさん、貧血あるのか?…だから色白なのか?すると…。
「…ようやく、治ったんだけど、定期的に受診してるんだ。後、頭痛酷いから、薬出して貰ってる。先生に頭痛酷いって相談したら、薬出してくれた。優しい先生だよ。」
「へ~…。…でも…心配です。あんまり無理しないで下さい。」
「…分かってるよ…。」 「つきさん、やりかねない。もしまた…無理やるなら…今度は、本気で閉じ込めますから。」
「…怖いって(汗)…朔夜さんの方がやりかねないし。」
「…なら、言う事聞いて下さい。」 「わかったよ(汗)」
…ニュースを見ながら…。
「…何年前だったかな?この辺も水上がったの?」
「ありましたね。もう…ずっと前…。」
…災害起きませんように…。
…つきさんも俺も、心から願っていた…。




