てんとう虫
つきさんの後ろ姿…。こっそり隠し撮り…。ワンピースがよく似合っていた…。しばらく、2人で遊歩道を歩いて、小高い丘を登って行く…と…高台になっていた。ソコに軽食屋があった。
「ゆり根ソフト食べたい♪」 「食べましょうか。」
「うん。あ、うち奢る。この前の食事、出してくれたから…。」 「…ありがとうございます。」食券機で、ゆり根ソフトの券を2つ買い、カウンター越しの店員さんに渡した。「ゆり根ソフトを2つ下さい。」 「はい…お待ちください…。ゆり根2つです。」 「はい。」 別の店員さんが作って、俺とつきさんに渡してくれた…。
「…お待たせしました…。ゆり根ソフトです。」
「ありがとうございます。」
透明なカップにコーンフレークを敷き詰めて、ゆり根ソフトを入れ、花びらの形をしたゆり根も飾られてあるソフトクリーム…。ベンチに腰掛けて、スプーンを使って食べた。
「…冷たくて美味しい…♪」 「うん。…この花びらもゆり根なんですね。」 「うん♪…花びらゆり根だね♪」
嬉しそうなつきさん…。丘の上から見下ろすゆり園…。続々と観光客が来ていた。ゆり根ソフトが沢山売れていた。
「…そろそろ行きますか?」 「…うん。」
食べ終えた、カップをゴミ箱に捨て、さっき登って来た遊歩道とは別の遊歩道を歩いて丘を下る…。と…つきさんが桜の木を見ていた。
「……」
桜の葉をスマホで撮影していた。葉っぱなんて撮って…?なんて思っていると…。俺に歩み寄ってきて、「…見て…。てんとう虫…♪」
スマホの画面に写っていたのは、桜の葉の上の
黒いてんとう虫。背中に赤いふたつの模様…。
「…可愛いですね…。」 「うん。…イイコトあるかな?」 「?…イイコト?」 「てんとう虫は、幸運の虫なんだよ。…イイコト既にあったけど、もっとあるのかなぁ♪」 「?既に?」
「…うん♪」
嬉しそうに…話す…つきさん。その笑顔がまた…
「…そ…そろそろお昼行きますか?」 「うん。」
この後、2人で昼飯を食べに行った。近くの農家レストラン。旬の野菜を使った料理。つきさんと俺は、夏野菜カレーとサラダを食べた。
「…美味しい♪」 「うん♪」
…つきさん…楽しそうだな。と…。
「…朔夜さん、今度は、仙台に連れて行ってね…仙台七夕まつり…見てみたい…。」
「…分かりました。でも…凄い人ですよ?」
「…(汗)…」人混み…苦手なんだな。顔に出てる…無理しないくていいのに…(笑)
「人混み…苦手ですよね?無理しないで大丈夫…。でも…行きたい服屋さんには、連れてきます(笑)」
「…ありがとうございます。朔夜さん。」
…農家レストランを後にして…車の中…。
「つきさん、今日、つきさんのアパートに泊まりたいです。」
「…いいよ。夕飯の食材買わないと。」「はい…。スーパーに寄りますね。」 「うん。」
また…来たい…。そう思いながら、スーパーへと向かった。




