前撮り当日…
昨日、髪を切った。
「なんなら、染めてみないか?」 「…やめとくよ。」
長沢市内の美容室。担当の五十嵐君。高校の同級生…。
「…河本君の髪、いい髪だけど…厚いよな。」
「…あぁ…。」 「今まで何処で切ってた?」
「1000円カット。」 「なるほど…。」「?…なんか緊張してる?」 「…いや…普通…」
髪を切って、シャンプー。さほど会話も無く終わる。五十嵐君とは、同じで高校の同級生で、たまにゲーセンなんかに行っていた。で…イケメン。
男の俺から見ても…。なんて思っていた…。
会計を済ませ帰った。明日…既に緊張している俺…。
翌日…。
「…おはよう…うみ…。」 「…おはようございます…。雷斗さん…。」
昨日…前撮りだからと…夜断られた…。悪戯したら、「あっちで寝ます…。」 「…ご…ごめん…。」
謝って…一緒に眠った…。
朝9時半…。準備を終えて式場へと向かう。10時前に式場に着くと、父さん達も来ていた。
「おはようございます。」 「おはよう。海さん」
「おはよう。父さん、母さん。」 「おはよう。雷斗。」 「今日は呼んでくれて、ありがとう…海さん。」 「雷斗もありがとう。」
2人とも嬉しいのか…笑ってお礼を言っていた。
「行こうか。」 「はい♪」 4人で式場の中に入る。フロントに向かうと、プランナーの東雲さんと男性スタッフの方がこちらに出向いてくれた。
「おはようございます。河本様。今日は、よろしくお願い致します。」 「おはようございます。東雲さん。こちらこそ…。」 「…では、お着付けを…。雷斗様を先に、次が海様になりますので…。ご家族の方は、こちらのロビーにてお待ちください…。」
俺とうみは2階の控え室へと通され、先に俺が和装に着替えた。
「…いいですね…。」 と…着付けを担当してくれた、南さん。…着慣れないって言うか…やっぱりなんか…なんて言うんだ?貫禄って言うのか?ないな(汗)…。次は、うみの番…。
「控え室にてお待ちください。」 と…東雲さん…。「海様のヘアメイクが完了してますので…お願いします…。」 と…うみと変わった。綺麗なうみに…既に…。と…「後ほど…」 と、南さん。
「あ…すみません。」着付けの部屋から出て、
しばらく控え室で待っていると…。東雲さんが、声をかけた。
「お待たせ致しました。奥様のご用意が整いました。こちらへどうぞ。」
ドキドキしながら、控え室から着付けの部屋と向かう。ドアを開ける東雲さん。
「…雷斗様…見えましたよ。」
「…雷斗さん…。」 「…うみ…。」
しばらく…うみを見つめた。白無垢姿のうみ…。
「…綺麗だよ…。うみ…。」 「…ありがとうございます…。雷斗さんも…素敵です…。」「…ありがとう…。」
髪をまとめ…白い桜の髪飾り…。桜柄の白無垢…。紅く美しい…紅をさしていて…。
「お写真は中庭で撮影致します。ご両親は、先に移動して頂いておりますので、エレベーターで移動しましょう。」
…エレベーターで1階の中庭へ…。




