不安定
あの雨から、一夜明け…。…肌寒さで目が覚めた私…。雷斗さんも居間で眠っていた。テレビ…付けたまま…。雨は、収まりつつも…まだ…。
「昨日、夕方から降り続いてます、東北南部の雨は落ち着きつつはありますが、未だ予断を許さない状態が続いています…。この雨の影響で、各地で被害が出ています…。」
朝の全国ニュース…。県内ニュースは…。
「おはようございます。県内ニュースです。昨日の夕方から降り続いた雨は、今は、小康状態ですが、予断を許さない状態が続いています…。昨日夕方から、降り出した激しい雨は梅雨前線の影響で…」
「おはよう…うみ…。」 あ、雷斗さんが起きた。
「おはようございます…雷斗さん…。」
「…寒いな…。」 「…はい…。」 タオルケットを羽織る、雷斗さん。私にもタオルケットをかけてくれていた。
「…各地で被害が出ています…。陽高市宮町の民家で崖崩れが発生し、民家の中にまで土砂が流れ込みましたが、住人は、避難していて無事でした…。湯町では、白龍湖の水が溢れ、松原地区の道路が冠水し、通行止めとなっています…。」
ニュースの場所…知ってる…。雷斗さんと2人で、静かにニュースを見ていた…。
朝…。俺は、そのまま、リビングで眠っていた。寒さで目が覚める…。…!つきさん。起きて、
寝室へと…。つきさんは、眠っていた。昨日の雨で濡れて帰ってきた、つきさん…。身体が冷えたのか…。風邪を引いて、熱を出していた。…寝顔…。…不謹慎だけど…やっぱり可愛い…。いつの間にか冷えピタを剥がしていた、つきさん…。そっとおでこに、触れた…。熱…下がってる…良かった…。手を…おでこから、離す…。ん?…何か…?小さな寝言が聞こえた…。
「さ…く…やすき…」
…俺の名前…好きって…。…思わず…。
「…俺も…好きです…。つきさん…。」
その声が聞こえたのか…つきさんが目を覚ました。ぼんやりと…俺を見ている。
「…?…おはよう…。」 「…さくやさん?…」
そっと、手を握ってみた。すると…
「…さくやさんの手……温かい」 「……」
…寝起きの掠れたつきさんの声…。
「…つきさん…。抱きしめて…いい?」 「…う…ん…。」
一緒にベットに入って抱きしめた。つきさんの身体は、痩せている…。だけど…温かくて…。
「…治って良かったです。」 「ありがとうございます。…迷惑かけてごめんなさい。」 「…大丈夫。」
…抱きしめながら…背中を撫でている…。
「…雨…止んだよ。」 「…うん…。」
…その後も…雨は降ったり止んだりを繰り返し…やっと雨が落ち着いたのは、日曜日だった…。




