初遠出
日曜日、伊原さんと遠出した。場所は、伊原さんが決めた。
「…ここいいな。月丘温泉のガラス屋さん」
「ガラス屋?」
「うち、刺子とランプ見たい。」
「刺子?ランプ?」
「…江戸切子・薩摩切子とか…聞いた事ごとね?」 「それなら分かります。」
と言う訳で、月丘温泉に向かう。陽高市から車で約2時間。伊原さんの運転で向かう。…伊原さんの車、いい香り。音楽も静かにって…え?…ロック??
「ロック好き♪歌詞より曲調がいい。」
「…もう少し、音量あげ…」 「このくらいでいい。」
「…?…」 「…♪♪…」
伊原さんが…鼻歌?!
「…いい…。早く新曲でねがなぁ♪」
もしかして…
「伊原さん、この前、車で聴いてましたよね?」
「?…いつ?」 「桜見に行った時」 「…あぁ…そうだよ。外で待ってたんだ。部屋居ると、本の虫になっから。時間忘れる(汗)」
「伊原さんは、推理小説が好きなんですか?」
「うん。あ、何度も読みたいヤツある。」
「何ですか?」 「オペラ座の怪人。」
「…?…」 「…読んでみっか?」
「…やめときます。怪人怖そうです。」
「(汗)…。あ、道の駅よる。来てっかな?……いなかった(汗)」
何が??…落ち込んでる伊原さん(汗)
「キッチンカーのコーヒー屋さん…。」
キッチンカーのコーヒー屋?…伊原さん、よくこっちに来るんかな?車を駐車場へと停め、店へと向かう。看板には…道の駅…せきかわ…?…わっ!なんか横切った?!
「…ツバメがいるな。」 店の入口…コンセントの?カバーの上?にツバメの巣…。
「…ほんとだ。」 「いっぱい巣がある♪巣から頭見えてる(笑)…カワイイ♪…ヒナ…居るのかな?」
頭が少し見えていた。…なんか…いっぱいいる(汗)
「…この辺、川が近いし、虫も沢山いるからな。屋根もあるから、雨よけにもなるし。天敵もいない。…あ…こっちは、おしり向けてる(笑)…ちょっと、トイレ行ってくる。」「分かりました。」
…伊原さん、嬉しそう…。と…店の扉に
「ツバメが入るので閉めてください」
…警戒心がないのか?? …ん?なんか炭火の匂い…?…あ、もうひとつ店が…魚を焼いていた。鮎だった。しかも…なんとなくデカい…。と…
「お待たせ。じゃ、行こうか。」 「はい。」
…後でまた寄れるかな?…。なんて思いながら、ガラス屋へと向かった。




