入院
…薬を飲んで、眠ってしまった伊原さん。マジマジと寝顔を見た。白い肌…だけど…血の気が無いような…真っ白と言うより、青白い肌。長いまつ毛…。右の目元に小さなホクロ…。唇も少し荒れていた。伸びたクセのある髪…。そっと触れて見た…。…硬い髪…。でも…手触りがいい髪…。
「…伊原さん…。帰ります…。明日も休んで下さい。」
眠っている伊原さんに伝えて、帰った俺…。カギもかけれない…。大丈夫かな?…田舎とはいえ…心配だった。…。泊まれば…良かったか?…なんて思いながら、アパートに着いた。部屋に入ると、買ってきた食材を台所のカウンターへと置く。洗面所に向かい、手洗いとうがいし、寝室へと向かい部屋着に着替えた。メシの準備。今日は、焼きそばにした。焼きそばを食べながら、伊原さんの事を思い出していた。
あの山の様な本…殆どが推理小説だった。後、CD…。今どき、CDで…あのプレーヤーも何年前の??って感じのを使ってた。…寝室にも…。て言うか…部屋着も寝顔も…かわいかった。触れた髪…。かたい髪質だけど…本当に手触りが良くて…。触れたおでこ…熱かったけど…サラッとしてた…。…髪も肌も…キレイだった。思い出せば出すほど…側に居てあげたくなる…。さすがに…告白すら…まだ…まして…付き合っていない…。…だけど…。伊原さんが元気になったら…ちゃんと告白して…付き合いたい…。
…翌日も伊原さんは、休み…。その日の10時過ぎた頃…休憩室で水分補給中、仁科室長が…
「伊原さんが入院しました。」
と…河本と俺に伝えてきた。
…え?…。なんで??
「先程、伊原さんの家族の方から電話があり、熱が下がらず、もう一度医者診てもらった所、扁桃腺炎で入院しました。脱水もあると…。」
…まさか…入院になるなんて…。




