雷電
雷斗さんと2人できりでの結婚式。ゲストは、披露宴のみ招待。前撮りは白無垢で。挙式に白ドレス。披露宴で1度お色直しをして、色ドレス…。その打ち合わせ。来週の土曜日は日にちやゲストの人数の確認。料理のプランなどを決める事に…。今日の打ち合わせが終わり、式場を出た私たち。駐車場に着くと、雷斗さんのスマホが鳴った。
…また…母さんだ。…止めとくか…。またロクな事言わないし。…ほっといたが…15分おきになるスマホ…。
「出ないんですか?」 「…多分…出たら出たで…。」
「一応…要件だけでも…」 「…わかったよ…(汗)」
コンビニの駐車場に寄り、スマホを手にした途端…。…。
「はい?」
「あ、雷斗?…今大丈夫??」
「…大丈夫じゃ」
「いいから、聞きなさい。もし結婚式を挙げるなら、私たちも呼びなさいね?雷斗のタキシード姿と海ちゃんの花嫁姿見たいから。それとバージンロードの…」
「……悪いけど、式は、2人で挙げる。うみの家庭事情があるから……。母さん達は、披露宴に呼ぶから…。」
そう伝えて…電話を切った…が…またかかってきた。あまりにしつこい…。なので…着信拒否に設定した。
……。
「…いいんですか?雷斗さん(汗)」 「うん…。」
母さん…たまに、人の話しを聞かない…。参っていた。
「何処かで昼飯食おう。」
近くの洋食屋に行く。
「オムライスのセット食べたいです♪」 「俺は、ハンバーグに…いや、エビフライのセットにしよう。」 サラダ、スープ付き…。
料理を注文し、これからの事をうみと話す。
「ゲストは、ほとんどが、職場。だから、招待状は、手渡しでいいかな?」
「まきちゃんと英くんには、私から?」
「英は、俺が出すよ。」
「なら、私はまきちゃんに…」 と…
「お待たせいたしました。オムライスセットです。エビフライは、もう少しお待ちください。」
その間に、スマホを確認する。母さん、あれから、2、3回かけてきたようだけど…諦めたか…。……胸を撫で下ろした俺…。
「お待たせいたしました。エビフライのセットです…。以上でよろしいでしょうか…?…。ごゆっくりどうぞ。」
美味そうなエビフライ…。
「いただきます。」 「いただきます♪」
俺のエビフライが届くまで、食べずに待っていたうみ…。冷めてしまうからと言っても…
「待ってます…。一緒に食べたいです。」
「…わかった。そうしよう。」
2人で食べる…それが、俺らの約束になった。




