でかける。
私は、まきちゃんの運転で、長沢の服屋さんに来ていた。着の身着のまま、アパートを飛び出したから、着替えも無くて、困っていた。まきちゃんが私に、未使用の下着をくれたのを着けていて、それをホテルのコインランドリーで洗濯して着けている。服もまきちゃんが、あまり着ないからと…譲ってくれたけど、まきちゃん…私よりふくよかだから…。特にデニムは、おしりは入るけど、ウエストが…。それを見た、まきちゃんは、「”うみちゃん…やつれちゃったから…”」…返す言葉もない私。ここしばらく、まともに食事が取れない状態で、筋力も落ちたから、痩せた。それでも、仕事には行った。仕事は多忙をきわめて、そこに、”研修会”の資料も制作しなければならず、なかなか服を買いに行く暇が無かった。みかねた、まきちゃんが最後に、これどう?と持ってきたのは、黒地に紅のリボンが可愛い、”吊りスカート”…。私は目が点になる。さすがに…「…ごめん。まきちゃん…さすがに…スカートは無理…。」
それでも、まきちゃんは、”1回着てみたら?”
と私に着させた。…まきちゃんは「”…可愛い!!いいじゃん!それ着て、買い出し行こうよ”!」
はしゃぐ、まきちゃんをよそに、いまいちピンと来ていない私。まきちゃんは、私を部屋の鏡の所へ連れていき、私の今の姿を見た。「”…似合うと思うケドなぁ?”」…まきちゃんは、ニコニコしながら私に話す。サイズはピッタリだったけど…でも、落ち着かない。「決まり!買い出し行こう!」私の意見は無視され、今は、まきちゃんの車の中にいる。隣の長沢市は車で30分。何故、隣りの市まで、行くのかと言うと、この辺だと、蒼空に会うかもしれないし、蒼空は、私の車知ってるから……まきちゃんが車を出してくれた。服屋さんに着くと、まずは、デニムを買う。後はトレーナーとジャージ…靴下と下着と…カゴいっぱいに買う私。沢山、服を買って、次は、陽高市に戻って、アパートの内見。まきちゃんの知り合いの、大家さんに会ってアパートを内見させてもらう。少しずつだけど、”準備”を始める私。離婚の手続きは、これからだけど、今は少し静養が必要だった。仕事をしながらは大変だけど…ゆっくりと”準備”を進めていた…。途中、コンビニに寄り、お茶を買う。まきちゃんの分も…。会計を済ませた時、ふと、視線を感じて、振り返った私。
「”…??…!!!”」
そこには、目が点になっている、”アイツ”がいた。