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おかえり…

突然、うみが叫んだ!!俺も、一旦ラーメン屋の駐車場に車を停め、慌てて、うみを追った。うみは、古い店の…展示場の前に立っていた。…?…。何かを…見ている?…


《おかえり…》

…これ…まさか…(汗) 信号待ちの時…何気なく、車の窓から景色を見ていた私…。古い質屋?骨董屋さんが目に付いた…。そこのお店に展示されていた物…。まさか?!と思って、慌てて、雷斗さんに車を停めてもらうよう、お願いした。車から飛び出した私…。急いでお店へと戻った。…息を切らしながら、窓から”ソレ”を見た。

「うみ?!…急にどうしたんだ?!」 雷斗さんそっちのけで…お店に入る…。”間違いないかもしれない”…。お店の番台…レジの近くに座っていた、中年の…いや…年配のご婦人...。

「…いらっしゃい…お若い方…。珍しいね。」

「…すみません。あの…あそこにある、指輪のとペンダントの入ったケースを見せてもらえませんか…?…お願いします…。」


そう…お店の方に伝えた…。少しふくよかな女性のお店の方…。ノロノロと立ち上がると、展示場に向かい、小さなドアを開け…ソレを手にして、私の元に持ってきてくれた。そして…


「…コレかな?…貴女くらいの若い方が…売りに来ましてねぇ…とてもいいモノでしたから、買って…そこに今日、飾ったんですよ。」


私は、その箱に入れてある、指輪を手にした…。指輪の内側に…掘られた文字。

「…NATUMI …」

やっぱり…間違いなかった…。母の指輪と…ペンダントだった。嬉しさのあまり泣いた…。指輪に涙が…と…。


「…うみ…?…」 雷斗さんが…そっと声をかけた…。

「…母の形見です。前の主人に勝手に売られました…。」


泣きながら…話す私に、店主さん?は、よろよろしながら、番台の内側から、ティッシュを取ると、そっと私に差し出した。そして…私にこう話してくれた。


「…待っていたんだねぇ…。貴女が来るのを…。宝石や石は、人を選び探す時があるから…。それは、貴女にお返しします。…今度こそ大切になさい。」


そう言って…店主さんは、私に返してくれた。売り物じゃ…?と尋ねると…


「…大丈夫です。…後少しで…この店を絶たみます…。だから、大丈夫…。何も気にしないで…。」


箱を閉めて、私に手渡してくれた。…思わず…箱に

「おかえりなさい…。」と…伝えた…。





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