葛藤
月曜日…。出勤しても、理事長も近衛部長も、何も、言って来なかった…だが…やはり城島さんは居なかった。…菊池も…。…あの後、理事長に確認した所…
「…何も心配要らないよ…。河本主任…いや…河本さん。とにかく…海さんをよろしく…」
とだけ…伝えた理事長。…その後で…柳さんからも連絡があった。中村は、暴行罪、傷害罪で、書類送検になったと…。それが妥当なのかは、分からないが…とにかく、うみが無事ならそれで…。中村とは、二度と会わない。その日の10時頃…隙をみて、加藤主任にメールで尋ねたが…同じ、何もなかった。と…それより、手の心配をされたと…。…加藤主任は、菊池を殴った際に、手を怪我していた…。後から知って…悪い事をした…。だが…加藤主任は、
「…どんなヤツでも…殴りたくなかったです…。ですが…理性を保つ事が出来ませんでした…。」
メールで返してきた。そして…
「うみさんを絶対に護って幸せにしてあげて下さい。応援してます…。」
そのメールを最後に、加藤主任からのメールは、終わった…。その日の休憩中…。加藤主任は、俺と休憩だった。
「水没林の見頃は4月末から…また…青野主任、泊まったんですか?」
「昨日は、帰ったよ…。ところで…伊原さんの事…好きなのか?」
俺は、単刀直入に聞いた。すると…
「…分かりません…。実は俺…あの件以来…青野主任以外の女性が…ちょっと、苦手になってきてたんです。」
「あの件?」 「…渡賀達…です。」
「とが…?…!?…あ!あの時のか?!」
「…はい。…歳上…いや…女性って…コワイって。ですが…伊原さんは、女性で初めて出来た部下です。歳は上ですが…なんか…自然と接していました…。今は…青野主任はともかく…舞と同じぐらい気になる女性です…。あの後…舞に、俺がそばに居れば…あんな事しないかと…尋ねました。…舞は、うん…多分…。と答えたんです…。ただ…あの後…舞には全く会いに行ってません…。」
「…なぜ…?…会いに行かないんだ?」
「…分かりません…。でも…会えないんです…。会いたくない…。」
「…まだ…舞さんが気になる?…」
「…忘れてはいません…。ただ…会いたくない…。それだけです…。」
「…随分前に…こんな事、言われたよ…。2人ともなら…失礼だっ。って…。ケジメを付けてから付き合えって…。」
それだけ…加藤主任に…伝えた。




