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研修会

介護福祉科とPC科の合同研修会が、今日の16時から予定されている。PC科室には、近衛部長をはじめ、介護福祉科のメンバー8人と、PC科の職員6名が集まっていた。俺は、介護福祉科の初めて会う方に、挨拶をしていた。

「初めまして。河本雷斗です。よろしくお願いします。」

2人は介護福祉科の夜間講師。名前は、江東利恵子さん。もう1人は、鈴木かずみさん。そして、管理栄養士の橋田裕子さんの計3名だ。江東さんと鈴木さんは夜間だけの勤務で、受講者に講習を行っている。もう1人の管理栄養士の橋田さんは、パソコンを使いながら、栄養指導などの講義を行っている。PC科は仁科室長をはじめ、田山みれいさん、豊川夏樹君、俺の他に2人。1人は、加藤朔夜君。もう1人は、莅 潤さん…。全員で15名の参加になる。研修の講師を務めるのは、藤原 海さん。研修会が始まると、まずは、藤原さんからの講義と講習。その後、実践し解説と続く。17時丁度に研修会が終わり、近衛部長と仁科室長が、藤原さんに、お礼を言っている。俺も、彼女にお礼を言いに、近寄る。……やはり何となく、元気が無い。俺は彼女に近づき、「”藤原さん”」 と声をかけた。PC室の隅の方に、小さめのデスクがあり、そこで彼女は、自前のパソコンを使い、報告書を制作している。俺は彼女のパソコンの指使いに目を奪われた。彼女の指はキーボードを流れるように触れる。目線は画面を見ている。「…タッチタイピング…。」…俺は、彼女の流れるような手捌きに、見惚れてしまう…。でも、よくよく、ちゃんと見れば、彼女…意外と…”かわいい…”。……白い細い指に、まるい顔、黒く長い髪。長いまつ毛に、猫のような目をしている。…「”ネコ”みたいだ…」

パソコンを打ち終わり、「”ふぅ”」と…ひと息つく彼女…それもまた…妙なエロさ…いや、色香…も…

「すみません、お待たせしました。…何か?」

彼女は、パソコンから俺に目線を移した。俺を直視している彼女…。正面から見た、彼女…。俺はお礼を述べて、彼女のもとを後にした。

「……ヤバい……かわいい。」

平静を保ちながら、お礼を言うのが、精一杯になった。彼女を直視できずにいる俺。俺の中の、”何か”が…芽生えようとしている。…報告書を制作し、近衛部長のパソコンに、メールで送った彼女。その作業が済むと、PC科室から、帰ろうとしていた。彼女をPC科室入り口まで、見送り、俺は、彼女に、「お疲れ様でした。」と声をかけた。彼女は俺を見て、ニコと笑うと、「お先に失礼します。お疲れ様でした。」 と言って、帰っていく。

俺は…彼女が見えなくなるまで、PC科室の入り口に立ち尽くしていた。

「……笑うと、あんなに…かわいいのか…?」

…俺は、「”はんそく”」…と…つぶやいた。

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