お米
「案内を終了します。」 カーナビ通りに帰ってきた私達。道の駅、北多の郷寄る。トイレを済ませ、改めてお土産屋さんを見た。ラーメンや赤べこ…お煎餅に…日本酒にお米なんかも売っていた。…。お米…あるんだ…。あ、お米切らしていたから…買っていこう。買ってみた。北方産コシヒカリ…米の雨…お値段も…でも…せっかくだし…。…そう言えば…木原室長だったかなぁ?…”米の雨”って言ってたけど…アレッてどう言う意味なのかな?…なんて思いながら1袋購入した。ふと…雷斗さんが、日本酒を見ていた。…?…。「どうしました?雷斗さん?」 「…酒って…色んな種類があるんだな…って」
「…本当ですね…。」 「…伊原さんが飲んでた、純米大吟醸…。大吟醸。辛口…」 数え切れない…日本酒…。ふと…その日本酒コーナーの片隅に、梅酒もあった。「…梅酒…もあるのか…。1本買って行くか。」 「…珍しいですね…雷斗さんがお酒買うの。」
「…母さんに…買うんだ。梅酒好き…だったから。」
「…お母様?」 「…うん…。」 そう話したきり…黙ってしまう雷斗さん。…?…。梅酒も買って、車へと戻る。時間は午後1時…。間に合う…かな…。昨日、通った道路…。幾つものトンネルを抜け…北方市を後にした。「…今度は、栄螺堂に行ってみたいですね。」 「また…行こう。旅館も良かったし。」 そう話しながら、卵屋さんを目指す。そして…「間に合ったね。」 「はい♪」 卵屋さん…。ココにもカフェが…。「コーヒーでも飲んで…あ、ラストオーダー2時半…」 「卵だけ買おう…。」 「はい(汗)」…。そう言って、卵を購入…。産みたて卵を1パック。「…行こうか…。」 「はい♪」 車へと戻り長沢市内へ…。「夕飯…親子丼か玉子丼にしようかなぁ…。」 「玉子丼?」 「玉ねぎとお麩で作るんです。卵とじ…。」 「食べたい!!」 「…分かりました…。あ、明日のお弁当のおかずも買いたいので、スーパーに…」 「分かった。明日の弁当何?」 「…秘密です…」 「…リクエストしていい?」 「?…何ですか?」 「エノキの肉巻きが食べたい。」 「分かりました♪」 「アレ美味い。」…。雷斗さんが、初めてのお弁当のリクエスト…。嬉しかった。長沢市内のスーパーで買い物をして…私のアパートへ…。荷物…いっぱい。あ、伊原さん…。伊原さん、出かけていたのか、同じ時間に帰ってきた。「…こんばんは。…荷物すげぐね?」 「旅行に行ってきたんです。あ、丁度よかった。」 私は、愛津のお土産屋さんで買った、塩ラーメンを伊原さんに渡した。「この前のお礼です。ありがとうございました。」 「ありがとうございます。…愛津行ったんが。あそこ、いいんだよな。うちもまた行きたい。特に伊佐須美神社の知恵の神様。」 「…?…知恵の神様?」 「…たまに…あ、ごめん。電話だ。じゃ、また明日。お土産ありがとう。」 そう言って…伊原さんは、部屋へと帰って行く。…タバコ…の匂い…。夜だからかな?…伊原さんは夜しかタバコを吸わない…。




