サプライズ
最後のデザートは、苺と…「河本様…お誕生日とお耳にしましたので…心ばかりですが…。」
と、女将さんから、桜のケーキと抹茶…。そして…「奥様と…」 と
お箸を頂いた。「…ありがとうございます。」 お礼を述べる雷斗さんと私…。黒と朱の…起き上がり小法師をあしらわれた…夫婦箸…。「…起き上がり小法師は、転んでもすぐに、起き上がります。これから、どんな苦労も…御夫婦で、乗り越えていって下さい…。」そう…私達に伝えてくれた…。食事が終わり…お部屋に戻る…。「…うみ…大浴場は…行く?」 「…行きたい…ですが…傷が少し…痛むので…今日は…。」 「心配…。うみ…傷を…見せてくれないか?…あまり酷い時は…」 「だ…大丈夫です…。…あ…露天風呂もありますし…。明日の朝に…。」 「…傷…見せて。」 …(汗) 「…別の…浴衣に着替えますので…。」 「…うん…。」
《サプライズ》
うみが別の浴衣に着替える時…中村に掴まれた所を見せてもらった…。「…絆創膏を貼っていますので…。」 …絆創膏を取るうみ…。…。背中…肩の部分に…爪痕が…残っていた…。皮膚が少しだけ…剥けて…爪の形に…三日月状に…微かに腫れている…のか?…白いニットのワンピースを…着ていたのにも関わらず…相当な力で…爪を立てていた中村…。うみの白く綺麗な肌が…俺のせいで…。そんな大袈裟な…と思うが、大好きで、心の底から…護りたい女性を…俺が目を離さなければ…辛かった…。だが…うみは…。
「…雷斗さんとワンピースのお陰です…。だから、そんなに…辛そうな顔を見せないでください…。…あ…そうだ…。」 何かを思い出したのか…うみは、鞄を入れてある、クローゼットに向かい、中から鞄をだし、開けた…。中から、ラッピングされた包みを取り出し、俺の所に戻って来て…「…遅くなってすみません…。誕生日…プレゼントです(汗)」 そう言って…俺に手渡した。「…マジ…で…?」 「…はい(汗)」 とうみ…。「…ありがとう!…開けていい?」 「はい…(汗)」 ラッピングされた包みを開けると…財布が入っていた…。濃い緑色の革の財布…。「…気に入って…く…?!…」 あまりの嬉しさに…抱きついた!…「うみ!大好き!!ありがとう!大切に使うよ!!」
…こんな…サプライズがあって…本当に…いいのか…?




