花言葉
6畳くらいの茶室…。女将さんからの…お祝いの言葉…。そして…今日、うみにプロポーズをした…。
「絶対…護るから…俺と結婚してください…。」
俺のプロポーズを戸惑いながらも……
「お受け…します…雷斗さん…ずっと傍に居てください…。」
本当なら、もっと…ロマンチックなプロポーズをしてあげたかった…。夜景が見える所でとか…海でとか…。だが…もう…限界だった。…ずっと…うみを…護りたい…。ずっと一緒に居たい…。そして…一緒に暮らしたい…。色々な思いが込み上げてきた…。浴衣で見えないが…中村に、爪を強く立てられたのか…?…。心配で仕方なかった。…。席に着く。半月状のお膳に前菜…。「懐石料理になっております…。御手元に、お品書きが御座いますので、ご覧下さい…。まずは、春の前菜でございます。1番上の小鉢は…」 と女将さんが説明してくれた。山菜をメインにした小鉢に、桜百合根を添えた前菜…。これだけでも…凄かった。「お手元に、乾杯酒が御座います…。山葡萄酒です。」 そう言って…女将さんの目の前で…「…雷斗さん…お誕生日おめでとうございます…。」 「ありがとう…。乾杯…。」 そう言って…うみと乾杯した…。「…お酒…お飲みになれませんでしたか?」 と…女将さん。「…はい…申し訳ございません…。」 とうみ…。すると…「同じ、山葡萄のジュースもございます…。ご主人様は、お飲み物は…。」 「…赤ワインをグラスでお願いします…。」 「畏まりました…。御用意致しますので、少々お待ちください…。」 そううみに伝えて、席を離れた。……お品書きを見ていた、うみ…。「こんな…贅沢な…」 「…凄いな…。」 …前菜を口に運ぶ…。優しい味付け…。美味い…。
《甘い束縛》
雷斗さんからの突然のプロポーズ…。戸惑いを隠しきれなかった…。でも…とても、嬉しかった…。大変な状況で…前のお部屋も良かったけど、もっと凄いお部屋で…しかも…そこで…。とても幸せを感じている…。乾杯酒が飲めない私に、女将さんから、山葡萄のジュースを勧められた。「お待たせ致しました…。こちら…山葡萄のジュースです。…こちらはお椀ものです…。若竹椀でございます。」若竹椀…。筍と若芽のお椀物…。お出汁を1口…。若芽と筍の香りがとても良かった…。「此方はお造りで御座います…。春のお魚を…」 鮪、桜鯛、鱵…小さな小鉢には、白魚…。甘エビ…。ちょっと驚いた私…。…こんな…山の中で…(汗) 凄い。と…「うみ…ちょっと、席を外すよ…。」と…雷斗さん。すると…女将さんが…
「ご主人様…本当に素敵な方ですね…。そして…決して奥様を離さないですね…。」
優しく微笑みながら、
「先程…ご主人様が奥様に浴衣をお選びになってらっしゃいましたよね?お見かけしまして…。…浴衣の柄が…てっせんですもの…。」
「てっせん…。何か…関係が…?」
「…てっせんの花言葉は、精神の美、心の美しさ…そして…甘い束縛…。」
…甘い…束縛…。