茶室
「…凄い…お部屋…。」 「…あ…あぁ…。」 思わず驚いてしまった、雷斗さんと私…。女将さんの計らいで、離へとお部屋を変えて貰った。本館から繋ぐ渡り廊下を歩いて…利休の間に案内された。…とても広い和洋室で、洋室には、ダブルベッド…。和室には、テーブルと座椅子…。お庭もあって…そこには、露天風呂と…木で出来た、リゾートタイプの椅子が2つ…真ん中には木の丸いテーブル…。
「…お気に召して頂けましたでしょうか…?」 と女将さん。
「…凄く…素敵です…。あの…料金は…。」
「お代は頂けません…。手前共が、御無礼な事をした、せめてものお詫びと…おもてなしをさせて頂きます…。お食事の御用意をさせて頂きますので、少しだけお時間を頂きます。失礼致します」…そう…伝えて、1度お部屋を出た女将さん…。
「…ど…どうしましょう…(汗)…こんな…」 「…そう…だな…。と…とりあえず…ゆっくりしよう…。…うみ…」 私の方を向いて…「大丈夫?…傷は…?」 …と心配そうに雷斗さんは…尋ねた。「…少し…傷付いてますが…大丈夫です。…雷斗さん…護ってくれてありがとうございました…。」 頭を下げ、お礼を伝えた…。すると…そっと…抱きしめて…
「…後悔している…ごめん…あの時…嫌な予感がしていた。着付けの時も、出て行かないで…傍に居てやれば…良かった…。うみの…身体に…傷を付けてしまった…。ごめん…。」
震えている雷斗さんの声…。
「本当に…大丈夫ですから…。」 「…うみ…。いや…海さん…」
「?…はい…雷斗さん……??…。」 しばらく抱きしめた…後…そっと、雷斗さんの胸から、私を離し、真剣な目をして、私を見て…
「…次は絶対…護るから…。だから…俺と…結婚して下さい…。」
…いきなりの…プロポーズ…。驚いたけど…。
「…お受け…します…。雷斗さん…これからも…ずっと…傍に居てください…。」
「…うみさん…。不甲斐ないかもしれないけど…。これからもよろしく…お願いします…。」
と…。「…失礼致します…。御夕食の準備が整いましたので、こちらへどうぞ…。」 女将さんが、声をかけてくれた…。…?…お部屋でお食事って? 「こちらです。」 玄関に立ち、左側の小さな扉に手をそっと向けていた…。雷斗さんと…玄関に向かう…。すると…「……ここにもお部屋が…」 「…凄い…。」
そこは、6畳くらいの和室。 「ここは、茶室なんですよ…。今はもう、お食事をする、お部屋にしています…。」 と…女将さん…。そして…
「…プロポーズ…おめでとうございます…。」
と嬉しいそうにお祝いの言葉を私達に伝えてくれた…。




